ニュース速報
ワールド

巨大ハイテク企業の取り締まり強化へ=欧州委副委員長指名のリベラ氏

2024年10月24日(木)11時05分

 10月24日、欧州連合(EU)欧州委員会の上級副委員長(競争政策担当)に指名されたテレサ・リベラ氏はこのほど欧州議会からの質問に書面で回答し、EUの企業を買収したり、EUの入札に参加したりするために国家から不当な補助金を受けている巨大ハイテク企業と外国企業への取り締まりを強化すると表明した。写真は9月、ベルギーのブリュッセルでの代表撮影(2024 ロイター)

Julia Payne

[ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会の上級副委員長(競争政策担当)に指名されたテレサ・リベラ氏はこのほど欧州議会からの質問に書面で回答し、EUの企業を買収したり、EUの入札に参加したりするために国家から不当な補助金を受けている巨大ハイテク企業と外国企業への取り締まりを強化すると表明した。

リベラ氏は、デジタルサービス事業の競争促進を目的としたEUの「デジタル市場法(DMA)」について「欧州企業とエンドユーザーにとって具体的な結果をもたらすために」厳格に執行していくと強調。「競争法違反に関する調査を不当に長引かせ、企業がその間に非競争的な慣行を享受し続けるのを許してはならない」と述べた。

欧州委員会は今年、IT大手の米アルファベット、アップル、メタ・プラットフォームズについて、DMA違反の疑いで調査を開始している。

リベラ氏はまた、EUから世界の市場をリードする企業を生み出すため、EUの中小企業を外国企業による「キラー買収(競争の芽を摘むための買収)」から守ることも自身の使命だとした。

EUは資本市場が細分化されているため、世界的なクリーン技術競争に勝てる企業を生み出すのに苦労している。リベラ氏はこの点に関し、国家補助のルールを簡素化するとともに、外国の補助金に対する規制を実行すると答えた。

EUは、中国企業が自国の風力、太陽光発電や電気自動車(EV)産業を補助して不当な競争を展開しているとして、対抗策を模索している。

欧州議会は、欧州委の委員に新たに指名されたメンバーの公聴会を11月に開く。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英独が「本格的な」防衛協力で合意、長距離兵器開発も

ビジネス

セブン&アイ、グループ売上高は30年度30兆円へ 

ワールド

米議員、ステランティスに工場投資の約束を守るよう要

ビジネス

米ボーイング労組、会社側の労働協約案拒否 スト継続
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...夫フセイン皇太子と仲良くサッカー観戦
  • 2
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 3
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはどれ?
  • 4
    「国産メーカー優先」をやめたNTTドコモ...経済安全…
  • 5
    大谷とジャッジを擁する最強同士が激突するワールド…
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    ウクライナ軍、迫り来るロシア装甲車を「超至近距離…
  • 8
    北朝鮮がその気なら韓国も!? ロシア派兵に対抗してウ…
  • 9
    なぜイスラエルは攻撃を拡大させるのか?...「いつか…
  • 10
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 3
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 4
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 5
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 6
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 7
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 8
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 9
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…
  • 10
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中