ロシア、IMFに代わる組織立ち上げをBRICS加盟国に呼びかけ
10月10日、主要新興国による「BRICS」で今年の議長国を務めるロシアは、欧米諸国からの政治的な圧力に対抗するため、国際通貨基金(IMF)に代わる組織の立ち上げを加盟国に呼びかけた。写真はロシアのシルアノフ財務相。6月6日、サンクトペテルブルクで代表撮影(2024年 ロイター)
[モスクワ 10日 ロイター] - 主要新興国による「BRICS」で今年の議長国を務めるロシアは、欧米諸国からの政治的な圧力に対抗するため、国際通貨基金(IMF)に代わる組織の立ち上げを加盟国に呼びかけた。ロシアでBRICS首脳会議が今月下旬に開かれるのを控えた動き。
BRICSの当初の加盟国はブラジル、ロシア、インド、中国だったが、その後拡大して現在は南アフリカ、エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアも加わっている。
BRICSの財務相・中央銀行総裁会議はモスクワで始まり、議長役のロシアのシルアノフ財務相は世界の金融システムが西側諸国によってコントロールされており、世界経済の37%を占めるBRICSがIMFに代わる機関を設ける必要があると訴えた。
シルアノフ氏は「IMFと世界銀行は役割を果たしていない。BRICS諸国の利益に叶った機能をしていない」とし、「新たな条件を、あるいはブレトンウッズ機関に似た新たな機関を私たちの共同体、BRICSの枠組みの中に形成する必要がある」と主張した。
BRICS加盟国がこれまでに設けた国際金融機関は、2015年に設立された新開発銀行のみ。BRICS加盟国や他の新興国のインフラや持続可能な開発プロジェクトに融資している。
ロシアは2022年2月にウクライナに侵攻した後、ドルやユーロでの外貨準備を凍結され、欧米諸国による制裁で金融システムが大きな打撃を受け、国際資本市場から遮断されている。