再生エネ、30年までに発電容量3倍目標は未達の公算=IEA
10月9日、国際エネルギー機関(IEA)は同日公表の報告書で、太陽光や風力発電といった再生エネルギーが2020年代中に全電力需要の半分近くを満たす見込みだが、世界の再生エネ発電容量を3倍にするという国際目標は未達に終わるとの見通しを示した。写真は2021年12月、スペイン・ペドロラ近郊で撮影(2024年 ロイター/Albert Gea)
Nina Chestney
[ロンドン 9日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は9日公表の報告書で、太陽光や風力発電といった再生エネルギーが2020年代中に全電力需要の半分近くを満たす見込みだが、世界の再生エネ発電容量を3倍にするという国際目標は未達に終わるとの見通しを示した。
IEAは、現在から30年までの再生エネ導入量は5500ギガワット(GW)強と、17─23年の期間の増加分のほぼ3倍になると予想。
この増加分は中国、欧州連合(EU)、インド、米国の現在の発電容量の合計に相当するが、第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)で設定した目標の達成には十分ではないという。
世界の発電容量を3倍にするには、各国政府が送電線と再生エネ設備をつなぐ取り組みを強化する必要がある。
具体的には全長2500万キロの送電網建設・近代化や、30年までに1500GWの蓄電容量構築が必要とした。
世界の太陽光発電容量は24年末までに1100GWを超え、推定需要の2倍以上に増えると予想。報告書は、供給過剰で太陽電池モジュールの価格が低下しているが、多くのメーカーで財務も大幅悪化しているとした。
COP28の目標達成は難しいとみられる一方で、世界の再生エネ発電容量の80%を占める70カ国が30年の国別目標を達成あるいは超過する見通し。