インタビュー:米民主党、アラブ系有権者の票失いつつある=緑の党候補スタイン氏
米大統領選の「緑の党」候補のジル・スタイン氏は6日、米国のイスラエル支援への反発で、民主党候補のハリス副大統領はアラブ系有権者の票を失いつつあるとの見方を示した。写真は米大統領選挙の2候補。8月20日にウィスコンシン州で撮影(2024年 ロイター/Marco Bello, Jeenah Moon)
Andrea Shalal
[ディアボーン 6日 ロイター] - 米大統領選の「緑の党」候補のジル・スタイン氏は6日、パレスチナ自治区ガザ戦争における米国のイスラエル支援への反発で、民主党候補のハリス副大統領はアラブ系有権者の票を失いつつあるとの見方を示した。
世論調査によると、11月5日の大統領選挙でスタイン氏の支持率はわずか1%。一方、ハリス氏と共和党候補トランプ前大統領の支持率はそれぞれ、49%と48%で拮抗している。
ただ、スタイン氏は、ミシガンやアリゾナ、ウィスコンシンといった激戦州でアラブ系米国人やイスラム教徒の自身への支持が高まっていると指摘する。これらの州は、2020年の大統領選でバイデン大統領の勝利に貢献した大規模な有権者を抱えている。
スタイン氏はロイターに対して「民主党はイスラム教徒とアラブ系米国民の票を失った」と述べ、「彼らは激戦州で敗北し、勝利は不可能になるだろう」と語った。
クック・ポリティカル・リポートが9月19─25日に実施した世論調査では、ハリス氏の支持率は、激戦州のミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州、アリゾナ州、ネバダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州でトランプ氏をリード、もしくは同率となった。
一方、米イスラム関係評議会が8月下旬にイスラム教徒有権者を対象に実施した調査では、イスラエルによるガザでの軍事行動反対を前面に押し出し選挙活動を行ってきたスタイン氏の支持率が、アラブ系住民が多いミシガン州では40%に達した。アリゾナ、ウィスコンシン両州でも、スタイン氏がイスラム教徒有権者の支持率で他候補をリードした。
スタイン氏は、ハリス氏が労働組合員や黒人男性、ラテン系の人々からも支持を失いつつあると指摘。「労働者は民主党に見捨てられ、裏切られたと感じている」とし、「共和党が労働者のために良いことをしているわけではないが、民主党は約束してことを守らないため、伝統的な支持基盤から罰を受けているようだ」と語った。