中東紛争の激化、世界に重大な経済的影響及ぼすリスク=IMF
国際通貨基金(IMF)のコザック報道官は3日、中東紛争の激化は同地域と世界に重大な経済的影響を及ぼす可能性があるとし、イスラエル軍が地上侵攻したレバノン南部の状況を「深刻な懸念」を持って注視していると明らかにした。写真は3日、レバノンのシンエルフィルから撮影(2024年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)
[ワシントン 3日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のコザック報道官は3日、中東紛争の激化は同地域と世界に重大な経済的影響を及ぼす可能性があるとし、イスラエル軍が地上侵攻したレバノン南部の状況を「深刻な懸念」を持って注視していると明らかにした。
コザック報道官は定例記者会見で「紛争がさらに激化する可能性はリスクと不確実性を増大させ、地域内外に重大な経済的影響を及ぼすおそれがある」と述べた。
ただ、石油や穀物などのコモディティー(商品)価格は現時点で過去1年のピーク時を下回っているとも指摘。同時に「われわれは状況を注意深く監視している。不確実性が極めて高いと改めて強調したい」と述べた。
世界経済への具体的な影響を予測するのは時期尚早としつつも、とりわけパレスチナ自治区ガザなどの経済は大きな打撃を受けているとし、ガザの24年上期の国内総生産(GDP)は86%急減する見通しとした。イスラエルのGDPも、昨年第4・四半期に約20%減、今年上期も部分的な回復しか見られなかったと述べた。
イスラエル軍と親イラン派武装組織ヒズボラの戦闘が激化するレバノンの情勢については、「すでに脆弱だったレバノンのマクロ経済と社会状況がさらに悪化している」とし、「多大な人的被害をもたらし、インフラにも損害を与えている」と述べた。