「テレグラム」CEO、仏警察が逮捕 犯罪放置の疑い=関係筋

フランス警察は24日夜、「テレグラム」のパベル・ドゥーロフCEOを拘束した。2016年2月バルセロナで撮影(2024年 ロイター/Albert Gea)
Ingrid Melander Guy Faulconbridge
[パリ/モスクワ 25日 ロイター] - フランス警察は24日夜、メッセージアプリ「テレグラム」の創業者で最高経営責任者(CEO)のパベル・ドゥーロフ氏(39)をパリ郊外のルブルジェ空港で逮捕し、身柄を拘束した。関係筋が明らかにした。
テレグラム上でコンテンツモデレーション(投稿の監視・管理)を実施せず、警察にも非協力的な対応を取ることで多様な犯罪を放置した疑いで、フランス国家警察や憲兵隊などが予備調査を行っており、その一環として逮捕されたという。
フランス当局はドゥーロフ氏を逮捕したと確認していない。
同氏はロシア出身でフランスとアラブ首長国連邦(UAE)の二十国籍。フランス警察筋2人とロシアの関係筋1人によると、アゼルバイジャンからプライベートジェット機で到着後、逮捕された。フランスで逮捕状が出ていた。
現地メディアによると、ドゥーロフ氏は25日に起訴される可能性がある。
テレグラムはロイターのコメントの要請に応じていない。仏内務省と警察、パリ検察当局のコメントも得られていない。
_UAEのドバイに拠点を置くテレグラムはメッセージを暗号化する通信アプリで、10億人近いユーザーを抱え、ロシア、ウクライナなど旧ソ連諸国で影響力がある。ロシアのウクライナ侵攻後に双方の政府当局者が使用していることから「バーチャル戦場」と一部のアナリストは呼んでいる。
ロシア外務省はドゥロフ氏がフランス国籍だとしながらもフランス政府に同氏と連絡を取ることを認めるよう要求したと発表した。
短文投稿サイトX(旧ツイッター)のオーナーである米実業家イーロン・マスク氏はドゥロフ氏の拘束について、欧州における言論の自由への攻撃だと批判した。