ロシア産LNG積み替え禁止、アジアに影響せず=欧州委員

来日した欧州委員会のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当、写真)は3日、ロシア産液化天然ガス(LNG)の積み替えを対象とした新たな制裁案について、アジアの買い手に影響を与える可能性は低いと述べた。ウクライナのキーウで5月撮影(2024年 ロイター/Maksym Muzychenko-Kishka)
Katya Golubkova
[東京 3日 ロイター] - 来日した欧州委員会のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当)は3日、ロシア産液化天然ガス(LNG)の積み替えを対象とした新たな制裁案について、アジアの買い手に影響を与える可能性は低いと述べた。
欧州連合(EU)は、ウクライナに侵攻したロシアに対する第14次制裁措置の一環として、EUの施設によるロシア産LNGの第三国への積み替え(トランスシップ)禁止を提案。アークティックLNGやムルマンスクLNGなど建設中のLNGプロジェクトの完成に向けた、EU事業者による新規投資や物品、技術、サービスの提供も禁じる。
シムソン氏は東京で記者団に対して「これはアジアの消費者にとって問題にはならない。現在のLNG市場は流動性が高く、ロシアが代替輸送手段を見つけられなくとも、置き換えは可能」と説明。
また「ロシアが第三国の顧客にサービスを提供するために、より高価な代替船を使わなければならないことを意味するだけであり、供給の減少にはつながらない」と述べた。
7月には、対ロ制裁に反対したこともあるハンガリーがEU議長国に就任するため、その前に新たな制裁案が承認されるよう調整を急ぐ。