シンガポール中銀、予想通り金融政策維持 「今年の経済強まる」

1月29日、シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は、予想通り金融政策を据え置いた。写真は2017年6月、MAS前で撮影(2024年 ロイター/Darren Whiteside)
[シンガポール 29日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は29日、予想通り金融政策を据え置いた。
MASは「シンガポールドル名目実効為替レート(SドルNEER)」として知られる為替レートベースの政策バンドの実勢上昇率(傾き)を維持すると発表した。
政策バンドの幅と中央値の水準にも変更はなかった。
貿易に大きく依存するシンガポールは、金融政策運営で国内金利の代わりに通貨バスケットに対するSドル為替レートを微調整するという独自手段を用いている。
声明文は「さらなる世界的なショックがない限り、2024年のシンガポール経済は幅広い成長を背景に強まることが予想される。MASのコアインフレ率は年序盤は引き続き高止まりするものの、徐々に低下、第4・四半期までには一段と低下し、来年はさらに低下するだろう」とした。
メイバンクのエコノミストは、コアインフレ率、総合インフレ率ともに3%を上回り、適切と見なされるレンジを超えていることから、中銀は引き締めバイアスを維持していると指摘した。
12月のコアインフレ率は前年比3.3%で、昨年初めに記録したピークの5.5%から鈍化した。
MASは、1月からの1%ポイントの消費税引き上げによる一時的な影響でコアインフレ率は今四半期に上昇するが、24年平均は2.5─3.5%になるとの見通しを示した。
「シンガポール経済の見通しは24年も引き続き改善する」と指摘。ただ、インフレ見通しには上振れと下振れ双方のリスクがあると説明した。
OCBCのエコノミスト、セレナ・リン氏は「4月も金融政策は据え置かれる可能性が高い」とし、金融緩和は年内コアインフレ率がより顕著に緩和していることが確認されてからになると説明した。
MASはこれまで金融政策声明の発表を4月と10月に行っていたが、今年から1月、4月、7月、10月と四半期ごとに行う。