OPECの世界石油市場シェア、24年前半に4年ぶり水準に縮小の見通し

石油輸出国機構(OPEC)の加盟国による2024年前半の原油生産量が世界シェアの27%弱となり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時の20年以来、約4年ぶり低水準となる見通しなのがロイターの推計と関連機関の予測データから分かった。2020年4月撮影(2023年 ロイター/Leonhard Foeger//File Photo)
[ロンドン 28日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)の加盟国による2024年前半の原油生産量が世界シェアの27%弱となり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時の20年以来、約4年ぶり低水準となる見通しなのがロイターの推計と関連機関の予測データから分かった。アンゴラのOPECからの脱退と、OPEC加盟国とロシアなど非加盟国でつくる「OPECプラス」の減産が要因。
世界の石油需要が加速するか、OPECが原油価格低下を容認しない限り、減産緩和に踏み切るのは難しい情勢だ。
アンゴラは今月、来年1月にOPECから脱退すると表明した。20年のエクアドル、19年のカタール、16年のインドネシアに続く脱退となる。
アンゴラの脱退によってOPEC加盟国は12カ国となる。OPEC加盟国の生産量は日量2700万バレルを下回り、世界原油生産量の日量1億200万バレルに占めるシェアは27%弱となる。
OPECのシェアが27%まで低下したのは直近では20年の新型コロナ禍時で、この際は世界の原油需要が前年より15─20%減った。
その後は世界需要が記録的な水準まで回復し、OPECは米国などのライバルにシェアを奪われた。
OPECはコメント要請に応じなかった。
OPECの月報によると、23年11月時点のOPEC加盟国の原油生産のシェアは27.4%となり、17─18年の32─33%から落ち込んだ。