APEC、持続可能な成長力向上を=米財務長官

イエレン米財務長官は13日、アジア太平洋地域の財務相に対し、低炭素エネルギーへの移行に必要な資金を調達し、貧困層により多くの機会を提供しながら、経済の生産能力を高めるよう呼びかけた。(2023年 ロイター/Carlos Barria)
David Lawder
[サンフランシスコ 13日 ロイター] - イエレン米財務長官は13日、アジア太平洋地域の財務相に対し、低炭素エネルギーへの移行に必要な資金を調達し、貧困層により多くの機会を提供しながら、経済の生産能力を高めるよう呼びかけた。
イエレン長官は会合で「開かれた、ダイナミックで、強靭な、平和なアジア太平洋共同体」を作るという今年の目標達成に向け、APEC21カ国が協力しなければならないと指摘。アジア太平洋経済協力会議(APEC)は潜在的な生産高を増やす必要があるとし、「持続可能かつ不平等を減らす形で労働供給、技術革新、インフラ投資を促進することで、長期的な経済見通しを一段と改善しなければならない」と述べた。
その上で「経済の成長に必要なクリーンエネルギーを供給しながら、地球を保全する持続可能な成長の道を歩む必要がある。安全な金融市場を維持しながら、革新を推進するために新たな技術を活用しなくてはならない」と語った。
米財務省は排出削減への支出が洪水や森林火災などの自然災害による損失軽減につながるとする研究論文を公表した。世界の136の沿岸都市で年間500億ドルを投じ、橋を高くしたり輸送路を内陸に移動したりすることで、2050年に予想される気候変動による年間経済損失を約1兆ドル削減できると試算した。