ニュース速報

ワールド

「街が死体の海に」、ハマスとイスラエルの大規模衝突におびえる市民

2023年10月08日(日)12時47分

 10月8日、 パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの攻撃の応酬では、双方で民間人含め480人以上の死者が出た。衝突は8日未明も続いており、市民らは避難先で息をひそめている。写真は7日、ガザから放たれたロケット弾が着弾した現場の前を歩く女性(2023年 ロイター/Itai Ron)

Maayan Lubell Nidal al-Mughrabi Ammar Awad

[エルサレム/ガザ/スデロット 8日 ロイター」 - パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの攻撃の応酬では、双方で民間人含め480人以上の死者が出た。衝突は8日未明も続いており、市民らは避難先で息をひそめている。

ガザに近いイスラエル南部スデロットでは、イスラエル人の民間人の死体がガラスが散乱する道路に横たわり、自動車の中で死亡している男女の姿もあった。

住民のシロミさんは、「外に出てみたらテロリストや市民の死体がたくさんあった。スデロットでは、道路沿いやそのほかの場所が死体の海になっている」と話した。

民家の奥深くに身を隠したイスラエル市民らは、恐怖におののきながら電話やテレビで状況を説明した。

武装集団の襲撃を受けたダンスパーティー会場から脱出したというエスター・ボロチョフさんは、脱出しようと乗った車の運転手が至近距離から撃たれて死亡したため、車内で死んだふりをして生き延びたという。

「脚を動かすことができなかった。後で(イスラエル)兵士が来てバスに乗せてくれた」と、ボロチョフさんは入院先の病院でロイターの取材に答えて振り返った。

一方、ガザでは黒煙や赤い炎が空を染めていた。今回の衝突で殺害された戦闘員の遺体が、緑色のハマスの旗にくるまれて運ばれていった。

ガザでは、負傷者や死者が病院に運び込まれているが、施設は老朽化して大混雑しているほか、医療器材も著しく不足している。空襲で被害を受けた現場に向かう救急車のほかは通りに動きはない。イスラエル側が電力供給を停止したため、ガザ全体が闇に包まれた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ドイツ極右AfD、世論調査で初の首位 既成政党への

ビジネス

ミネベアミツミ、芝浦電子にTOB 1株4500円

ワールド

米政権、「国家気候評価」作成のコンサルと契約終了へ

ビジネス

米SEC委員長にアトキンス氏承認、執行措置縮小も
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 3
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた考古学者が「証拠」とみなす「見事な遺物」とは?
  • 4
    【クイズ】ペットとして、日本で1番人気の「犬種」は…
  • 5
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 6
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    毛が「紫色」に染まった子犬...救出後に明かされたあ…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 9
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 10
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中