午前の日経平均は続伸、米中摩擦緩和を好感 中盤から見送り商状

4月28日、 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比182円15銭高の3万5887円89銭と続伸した。都内の株価ボード前で24日撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
[東京 28日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比182円15銭高の3万5887円89銭と続伸した。米中摩擦への過度な警戒感が緩和し、前週末の米国株式市場が上昇したことを好感して全体的に買い優勢の展開となった。一時369円52銭高の3万6075円26銭まで上昇し、3万6000円を回復。ただ、大型連休中であることが意識され、中盤からは見送り商状となった。
地合いを好転させた背景にあるのは、中国との貿易戦争が緩和するという期待感にほかならないが、日本株は時期的に大型連休に差し掛かったため、参加者不足が指摘されて徐々に模様眺めとなった。
市場では「月末月初接近とあって、内外ともに重要統計がめじろ押しであり、これらの結果を見たい」(国内証券ストラテジスト)との声がある。さらに、米国では超大型ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」の中でアップル、アマゾンの決算発表を控えるほか、国内も決算発表シーズンが本格化するため、動きが取りにくいという。
野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏は「米中摩擦の緩和が好感されたのは確かであるが、激変緩和との見方もあるため、もう少し見極めたい。また、日米ともに決算発表を控え、上値を取る動きは限られる」とコメントしていた。
TOPIXは1.03%高の2655.23ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆1281億3400万円だった。
東証33業種では、値上がりは輸送用機器、海運業、銀行業、建設業など28業種、値下がりは繊維製品など5業種だった。
個別では、トヨタ自動車など主力株が堅調なほか、ファーストリテイリングもしっかり。今期大幅増配見通しを発表した愛知製鋼が大幅高。一方、ソフトバンクグループ、アドバンテストはさえない。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1091銘柄(66%)、値下がりは480銘柄(29%)、変わらずは61銘柄(3%)だった。