FRB、関税見極めへ忍耐必要=カンザスシティー連銀総裁

4月16日、米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁(写真)は、農業セクターから関税に関する懸念の声を聞いているものの、最近のエネルギー価格下落が相殺効果をもたらすほか、インフレを若干抑制する可能性があるとし、政策決定に複雑な要素が生じるとの見解を示した。1月29日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[16日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は16日、農業セクターから関税に関する懸念の声を聞いているものの、最近のエネルギー価格下落が相殺効果をもたらし、インフレを若干抑制する可能性があるとし、米連邦準備理事会(FRB)は政策決定において複雑な状況に直面するとの見解を示した。
シュミッド氏はダラス地区連銀のイベントで同連銀のローガン総裁とオンラインで対談。「われわれはやや忍耐強くなり、こうした状況がどう展開するかを見守る必要があると思う」と語った。
結局のところ、FRBは「二重の責務に影響を与える可能性のある混乱には前向きに対応する」とし、物価安定と雇用最大化という2つの責務に言及した。
FRBのパウエル議長は16日、金利を変更する前に経済の方向性に関するさらなるデータを待つ姿勢を示した。同時に、関税によってインフレが押し上げられる一方で、経済成長と雇用が弱まるという、FRBにとって難しい状況が生まれる可能性を示唆。FRBはどちらの対策を優先するべきか選択を迫られる恐れがあると警告した。
シュミッド氏とローガン氏は金利政策や、トランプ政権の貿易政策を受けた最近の市場変動について詳細な議論は行わなかった。
シュミッド氏はFRBが政治的独立性を維持する重要性について簡単に触れ、政策担当者が米国の金融・経済の安定のみを念頭に置いて金利を設定できるのはこの独立性のおかげだと述べた。