ダルトン、フジHDにSBI北尾社長ら12人の取締役起用を提案

4月16日、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツの関連会社は、フジ・メディア・ホールディングスの6月予定の定時株主総会に向け、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長やジャパンディスプレイの菊岡稔元社長ら12人を取締役候補として株主提案するとの書面を発送した。写真は2018年10月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Kentaro Okasaka
[東京 16日 ロイター] - 米投資ファンドのダルトン・インベストメンツの関連会社は16日、フジ・メディア・ホールディングスの6月予定の定時株主総会に向け、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長やジャパンディスプレイの菊岡稔元社長ら12人を取締役候補として株主提案するとの書面を発送した。
ダルトン共同創業者ジェームズ・ローゼンワルド氏や、旧ジャニーズ事務所のタレントらが所属するスタートエンターテイメントの福田淳最高経営責任者(CEO)、国際情報誌「フォーサイト」編集長などを務めた堤伸輔氏らも含まれている。
提案書は、退任する日枝久取締役相談役の「長期政権」が続いたフジテレビは衰退してきたと指摘。「日枝体制の残滓(ざんし)を一掃し、フジテレビの大変革を力強く推進する経営者たちを送りたい」とした。ガバナンス改革や不動産事業のスピンオフ、コンテンツ制作能力の強化、政策保有株式の解消などを課題に挙げた。
北尾氏は自身のSNSで最近、2005年のライブドアによるフジテレビ(当時)の親会社・ニッポン放送の買収騒動でフジ側のホワイトナイト(友好的な買収者)になったことに触れ、当時は大義のある行動だと信じていたものの、現在は「やるべきではなかったと思うに至った」と吐露。一方、メディアやIT、金融の融合を図るSBIグループの事業構想が「フジサンケイグループの再生と進化に役立つのではと考え始めている」と述べている。
ダルトンは1月時点で関連会社を含めフジ・メディアHD株を7.19%保有する大株主。元タレントの中居正広氏を巡るフジテレビに関する問題では、ダルトン関連会社のライジング・サン・マネジメントが第三者委員会を設置して調査するよう要求したり、一部取締役らが留任した人事を批判して経営陣交代を求めたりしてきた。
フジ・メディアHDを巡っては、旧村上ファンド系の投資会社レノ(東京都渋谷区)も共同保有者との合計で保有比率を11.81%に引き上げた。SBIホールディングス系のレオス・キャピタルワークスも5.12%を保有。ライブドア元社長で実業家の堀江貴文氏もSNSで同社株を購入したと明かしている。