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NY外為市場=ドル、対ユーロで3年ぶり安値近辺 対円でも下落

2025年04月15日(火)06時00分

ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで横ばい。先週付けた3年ぶり安値近辺を推移した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 14日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで横ばい。先週付けた3年ぶり安値近辺を推移した。トランプ米大統領の打ち出す関税政策を巡る不確実性によって世界の基軸通貨であるドルへの信頼が揺らぐ中、対円でも下落した。

ドルは先週、米債利回りの上昇にもかかわらず下落。これは、投資家が関税の長期化や影響を懸念し、資金を米国以外にシフトさせている可能性が指摘されている。

ForexLiveのチーフ通貨アナリスト、アダム・ボタン氏は、短期的な政策金利や経済の状況について考えることは難しいと指摘。「不確実性は現在、国際貿易に絡む大半のビジネスにとり耐えがたいレベルに達している。それがどの程度のスピードで実体経済における消費者に影響するかが問題だ。市場は現在、米国の将来の成長について否定的な見方を示しており、それが為替市場の動きに明確に反映されている」と述べた。

マネックス・ヨーロッパのマクロリサーチ責任者ニック・リース氏は、市場は不確実性の一部を回避するために「米国以外に隠れようとしている」とし、「そのため足元のリスクはドルが一段安となる方向に傾いている」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は14日、トランプ大統領が掲げる関税政策で米経済は大きな衝撃を受けるとし、FRBは景気後退(リセッション)を回避するために利下げを実施する可能性があるとの考えを示した。

ニューヨーク連銀が発表した3月の消費者調査によると、短期インフレ期待が2023年10月以来の高水準に達した。個人の財政状況や雇用見通しに対する消費者のセンチメントが悪化している。

ユーロ/ドルはほぼ終日横ばいで推移し、終盤は1.1359ドル。先週末は2022年2月以来の高値となる1.1473ドルを付けた。

ドル/円は0.39%安の142.93円。

ドル/スイスフランも0.18%安の0.814フラン。

ポンド/ドルは0.88%高の1.3195ドル。

豪ドルは続伸し、0.84%高の0.6338米ドル。

オフショア人民元は0.35%安の1ドル=7.307元。米中貿易摩擦が激化する中、先週には最安値を付けた。

ドル/円 NY午後4時 143.02/143.04

始値 143.09

高値 144.08

安値 142.79

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1355/1.1357

始値 1.1387

高値 1.1405

安値 1.1297

ロイター
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