米アマゾンCEO、株主書簡でAI積極投資を表明

米アマゾン・ドット・コムのアンディー・ジャシー最高経営責任者(CEO)は10日公表した株主への年次書簡で、競争力維持のために人工知能(AI)開発に数十億ドル規模の投資が必要だと指摘した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Greg Bensinger Deborah Mary Sophia
[10日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムのアンディー・ジャシー最高経営責任者(CEO)は10日公表した株主への年次書簡で、競争力維持のために人工知能(AI)開発に数十億ドル規模の投資が必要だと指摘した。
ジャシー氏は書簡で「顧客の生活を日々より良く、より便利にすることが使命で、AIによってあらゆる顧客体験が変革されると信じるのであれば、AIに広く深く投資すべきだ」と強調した。AI向け半導体の確保やデータセンター構築には多額の投資が必要だと述べた。
アマゾンは生成AIに多額の投資を行い、各種のチャットボットをリリースしている。何度もの延期を経て、生成AIを活用し機能を強化した音声アシスタントサービス「アレクサ」を3月に発表した。AI新興企業アンスロピックにも約80億ドルを投じている。
ジャシー氏は書簡では米関税措置に触れていないが、CNBCのインタビューで、アマゾンは発注を一部前倒しし、価格抑制に努めていると言及。関税を巡る混乱で、購買需要への目立った影響は今のところ見られないと述べた。関税措置発表によるアマゾンのデータセンターへの投資計画に変更はないとも説明した。
10日公表の報告書では、ジャシー氏の2024年の報酬額は4010万ドルで、23年の2920万ドルから増えたことが分かったアマゾンの株価が年間で約4割上昇したことに伴う。
アマゾンは、株主提案が8件あったと発表し、いずれの提案にも反対票を投じるよう株主に推奨した。また、今回の報告書では、24年には記載があった「多様性、公平性、包摂性(DEI)」の文言を盛り込まなかった。