国内企業物価3月は前年比4.2%上昇、コメなど農林水産物の価格高で

4月10日、日銀が発表した3月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前年比4.2%上昇(2月は同4.1%上昇)した。写真は都内で2020年9月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Tetsushi Kajimoto
[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日に発表した3月の企業物価指数(CGPI)は前年比4.2%上昇と、2月の4.1%から伸び率が拡大し、1年7カ月ぶりの大きさとなった今年1月に並ぶ上昇幅となった。コメ価格の上昇が続く農林水産物が指数を押し上げた。
指数は126.0となり7カ月連続で過去最高を更新した。伸び率はロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値(3.9%)を上回った。前月比では0.4%上昇した。
輸入物価は円ベースで前年比2.2%下落、2カ月連続のマイナスとなった。下落幅は2月(0.9%下落)から拡大した。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示すもので、日銀は物価のトレンドを判断し、賃金・物価の好循環を占う上で注目している。サービス価格の動向を反映する企業向けサービス価格指数とともに消費者物価指数(CPI)に影響を与える。
3月は農林水産物が40.1%上昇。飼料価格や輸送費、人件費などのコスト増を転嫁する動きや、鳥インフルエンザ拡大の影響がみられた。石油・石炭製品は8.6%上昇と、前月の5.9%から伸びが加速。燃料油価格激変緩和措置の補助率見直しが影響した。非鉄金属もアルミニウム・銅市況上昇により12.3%と大幅に上昇し、プラス寄与した。
国内企業物価を構成する515品目中、上昇は387品目、下落は106品目の差し引き281品目になり、2月の差し引き278品目から増加した。
2024年度の企業物価指数は前年比プラス3.3%と23年度の2.4%から伸びが加速した。類別にみると、農林水産物がコメの価格高騰などを反映し、19.7%上昇と、前年度の5.0%から大幅に加速した。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。