中国首相、積極的経済政策の必要性を強調 「外部衝撃に対応」

中国の李強首相(写真)は9日、「外部からの衝撃」で中国の経済の安定運営に逆風が吹く中、より積極的なマクロ経済政策を、時期を逃さず展開する必要があると述べた。2024年12月撮影(2025年 ロイター/Shubing Wang)
[北京 9日 ロイター] - 中国の李強首相は9日、「外部からの衝撃」で中国の経済の安定運営に逆風が吹く中、より積極的なマクロ経済政策を、時期を逃さず展開する必要があると述べた。エコノミストや企業家とのシンポジウムでの発言として、国営新華社が報じた。
トランプ米大統領が中国に対する関税強化を決め、中国に課す関税は合計で100%を超える水準となった。中国は対抗して米国製品への関税をさらに50%引き上げると発表し、両国間の貿易摩擦が深刻化している。ただ、報じられた李氏の発言には、関税や米国についての言及はなかった。
李氏は、2025年第1・四半期(1─3月期)の中国経済が上昇傾向を示したとした上で、第2・四半期(4─6月期)の国内経済の取り組みが特に重要だと強調。「外部環境の不確実性に、強力かつ効果的な政策で対応すべきだ」と述べた。「われわれは、さまざまな不確実性に対処する準備ができている」とも言及した。
李氏は、雇用の安定化や所得増、サービス消費の活性化に向けた一層の取り組みを求めた。企業活動を後押しするため、資金を調達しやすくするなどの環境整備も呼びかけた。
ロイターは9日、関係者の話として、中国の最高指導部が早ければ同日にも会合を開き、経済活性化と資本市場の安定化の方策について協議する予定だと報じている。