利上げ・利下げ両方の可能性存在=ミネアポリス連銀総裁

米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は9日、先週発表された広範囲な関税措置は米経済に打撃を与えると同時に、インフレ期待を不安定化させる恐れがあるとの認識を示した。2024年5月撮影(2025年 ロイター/David Swanson)
[9日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は9日、先週発表された広範囲な関税措置は米経済に打撃を与えると同時に、インフレ期待を不安定化させる恐れがあるとの認識を示した。また連邦準備理事会(FRB)には利上げと利下げの両方の可能性が残されているものの、それを実施するハードルは以前よりも高まっていると述べた。
カシュカリ総裁は同連銀が発表した論文で、「長期的なインフレ期待を安定化させることの重要性と、関税により短期的にインフレが押し上げられる可能性を考慮すると、経済の鈍化や失業率の上昇がある中でも、利下げに動くハードルはより高くなる」と指摘。
一方、投資資本の需要が低下すれば自然利子率(Rスター)も下がり、金融政策は自然と幾分引き締め方向に向かうため、長期的なインフレ期待の安定化に向けて金利を急いで引き上げる必要性は低下するとし、こうした背景からFRBは足元で現状維持の姿勢を取っていると説明した。
その上で、現時点で確実なことは何もなく、利上げと利下げのいずれの金融政策も完全に選択肢から外すべきではないと述べた。