ニュース速報
ビジネス

米財政赤字と公的債務は今後30年で著しく増加、議会予算局が警鐘

2025年03月28日(金)07時37分

米議会予算局(CBO)は3月27日公表した長期財政予測で、向こう30年の財政赤字と公的債務が著しく増加すると警鐘を鳴らした。2023年12月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米議会予算局(CBO)は27日公表した長期財政予測で、向こう30年の財政赤字と公的債務が著しく増加すると警鐘を鳴らした。

最新予測によると、2055年度の財政赤字の国内総生産(GDP)比は、今年見込みの6.2%から7.3%に切り上がる。1995年から2024年までの平均3.9%から一段と悪化する形だ。

55年度の公的債務のGDP比は、今年見込みの100%から156%に跳ね上がる。

特に注目されるのは、55年の政府利払い費のGDP比が、今年9月末時点で想定される3.2%から5.4%に膨らむ点で、55年度の防衛費などの裁量的支出全体のGDP比見通し(5.1%)を超えてしまう。

高齢化の進行に伴って社会保障費のGDP比も5.2%から6.1%に高まる。

CBOは、過去30年に比べて次の30年は人口増加率が鈍化し、労働力減少を通じてGDPが減速すると予想。トランプ大統領の不法移民規制に直接言及しなかったが、「移民なしでは米国の人口が33年に縮小し始める」と述べた。

55年の実質GDP成長率は、今年見込みの2.1%から1.4%に下振れるという。

米財政状況はこうしたCBOの予測以上に悪化する恐れもある。トランプ政権が計画している減税の恒久化や、関税政策が経済に及ぼす影響などはまだ予測に反映されていないためだ。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ロ、レアアース開発巡りロシアで協議開始=ロシア特

ビジネス

相互関税、全ての国が対象に=トランプ米大統領

ワールド

デンマーク首相がグリーンランド訪問へ、新政権と協力

ワールド

英春季財政報告、財政先行きの厳しさ反映=ムーディー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中