ノルウェー中銀、金利据え置き インフレ加速で利下げ先送り

3月27日、ノルウェー中央銀行は、政策金利を17年ぶりの高水準である4.50%に据え置くことを決めた。写真は同行入り口。同日、オスロで撮影(2025年 ロイター/Victoria Klesty)
Gwladys Fouche Terje Solsvik
[オスロ 27日 ロイター] - ノルウェー中央銀行は27日、政策金利を17年ぶりの高水準である4.50%に据え置くことを決めた。1月には3月に利下げを開始する方針を示していたが、予想以上のインフレ再燃で利下げを先送りした。
中銀は1月の会合で政策金利を3月に25ベーシスポイント(bp)引き下げるとしていた。バーチェ総裁も先月、利下げ局面が近づいているとの認識を示していた。
しかし、2月のコアインフレ率が前年比3.4%と、1月の2.8%から大きく加速。ロイター調査では、アナリストの大半が、中銀が方針を転換し金利を据え置くと予想していた。
中銀は「政策委員会の現時点の見通しでは、政策金利は2025年中に引き下げられる可能性が高い」とした。
政策金利は年末までに4%に低下すると予測し、「今後数年でさらに緩やかに低下する」との見通しを示した。これまでは、25年に3回の利下げを行い、年末までに政策金利を3.75%にすると予測していた。
ノルウェークローネは0907GMT(日本時間午後6時07分)時点で1ユーロ=11.34クローネと、中銀の発表直前の11.38クローネから上昇した。
バーチェ氏は声明文で「インフレ率が上昇し、予想を著しく上回っている。政策金利を早急に引き下げれば、物価の急上昇が続く可能性がある。そのため、政策金利を据え置くことを決定した」と説明した。
中銀は25年のコアインフレ率の予想を前回12月の2.7%から3.4%に、26年については2.7%から2.9%にそれぞれ引き上げた。
一方、今年の非石油部門国内総生産(GDP)は1.2%増と予想し、従来の1.4%から引き下げた。