ユーロ圏の銀行、地政学ショックに対処する準備を ECB報告書

3月27日、欧州中央銀行(ECB)のクラウディア・ブーフ銀行監督委員長は、年次報告書を発表し、ユーロ圏の銀行は耐性があるが、地政学的ショックやマクロ金融の脅威に対処する準備が必要との認識を示した。写真は、ECB本部。3月6日、フランクフルトで撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)
[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のクラウディア・ブーフ銀行監督委員長は27日、年次報告書を発表し、ユーロ圏の銀行は耐性があるが、地政学的ショックやマクロ金融の脅威に対処する準備が必要との認識を示した。
トランプ米政権による主要分野での政策転換は金融市場を不安に陥れており、ロシアのウクライナ戦争とそれに続く欧米の制裁によって生じた金融的・政治的ストレスが悪化。政策当局者らは現在、これが成長、安定、金融リスクにどのような影響を与え得るかを評価している。
ブーフ氏は報告書で「地政学的紛争や金融制裁の影響による資産の質の悪化や経済の混乱が予想される場合、銀行には細心の注意、十分な資本、強固なガバナンスとリスク管理体制が求められる」と指摘した。
また銀行はサイバーセキュリティーの脅威に備える必要があり、レジリエンスやリスク管理で判明した弱点に対処する必要があるとした。
銀行の破綻により良く対処し、預金者を保護するために、危機管理と預金保険の枠組みの承認に向けて前進するよう議員らに呼びかけた。