SKハイニックス、米関税導入前に顧客が注文前倒し=幹部

3月27日、韓国半導体大手のSKハイニックスは、米国の半導体に対する新関税導入に備えて一部の顧客が注文を前倒ししていると明らかにした。写真は、同社製品のロゴ。2024年10月、ソウルで撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
Heekyong Yang Hyunjoo Jin
[利川(韓国) 27日 ロイター] - 韓国半導体大手のSKハイニックスは27日、米国の半導体に対する新関税導入に備えて一部の顧客が注文を前倒ししていると明らかにした。
同社のグローバルセールス&マーケティング部門トップLee Sang-rak氏は年次株主総会で、顧客の在庫削減と注文の前倒しが最近の好調な市況につながっていると分析した。ただ、この傾向が続くかどうかはまだ分からないと述べた。
野村は今週のリポートで、「米国が4月に半導体関税を課す可能性があるという懸念が、半導体の在庫を前倒しで米国に移す動きが出ている」と指摘した。
「実際に関税が課されれば、最終製品の価格上昇を招き、需要を減退させる可能性がある」との見方を示した。
SKハイニックスの郭魯正・最高経営責任者(CEO)は、データセンターへの活発な投資を背景に、半導体メモリー「HBM(広帯域メモリー)」の需要が今年は「爆発的な成長」を遂げると予測した。
「2025年向けのHBMはすでに完売しており、収益の安定性をさらに強化するため、今年上半期中に2026年向けの販売について顧客と最終合意する予定だ」と述べた。
中国の新興人工知能(AI)企業ディープシークが低コスト生成AIモデルを開発したことについて、郭氏はディープシークの登場は最終的にSKハイニックスにとって有益になるとの見解を示した。
「AIメモリーチップの中長期的な需要にプラスの影響を与える可能性が高い。ディープシークが高性能アクセラレーターやHBMの需要を減速させるとは考えていない」と述べた。