トランプ氏関税で自動車業界に激震、価格上昇の可能性 株価下落

トランプ米大統領が26日、米国に輸入される全ての自動車と外国製自動車部品に25%の関税を課すと発表したことで、内外の自動車メーカーに衝撃が走った。写真はGMの電気自動車工場の組み立てロボット。カナダ・オンタリオ州インガソールで2022年12月撮影(2025年 ロイター/Carlos Osorio)
Nora Eckert Kalea Hall David Shepardson
[デトロイト/ワシントン 26日 ロイター] - トランプ米大統領が26日、米国に輸入される全ての自動車と外国製自動車部品に25%の関税を課すと発表したことで、内外の自動車メーカーに衝撃が走った。
今回の関税が長期にわたって継続された場合、米国で販売される一般的な車両の価格が数千ドル上昇する可能性があり、北米全域の自動車生産に支障をきたす恐れがある。調査会社グローバルデータによると、昨年米国で販売された自動車の半分近くは輸入車だった。
ゼネラルモーターズ(GM)の株価は引け後の時間外取引で8%下落した。フォードとステランティスの米国上場株はそれぞれ約4.5%下落した。アジアでは、トヨタ自動車、ホンダ、現代自動車が3─4%安となっている。
電気自動車(EV)大手テスラの株価は1.3%下落した。同社は米国で販売される全ての車両を国内で生産しているが、一部輸入部品を使用している。
トランプ氏は、今回の自動車関税はテスラにとって中立的かプラスに作用する可能性があるとの見解を示した。またテスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏から助言を受けていないと明言した。
マスク氏は、関税はテスラにも影響するとXに投稿した。別の投稿で、「海外から輸入するテスラ車の部品価格に影響を与える。コストへの影響は小さくない」と指摘した。
主要な外国自動車メーカーによる業界団体オートス・ドライブ・アメリカは、「(新たな関税は)米国で自動車を生産・販売するコストを押し上げ、最終的には価格上昇、消費者の選択肢の減少、米国での製造業における雇用減少につながる」との見解を示した。
オートフォーキャスト・ソリューションズのアナリスト、サム・フィオラニ氏は「カナダとメキシコの工場に数億ドル、数十億ドルを投資してきた企業は、今後数年とは言わないまでも、数四半期で利益が大幅に減少する可能性が高い」との見方を示した。
「これは全てを混乱させるため、われわれは販売と生産の予測を調整することになる」と語った。
コックス・オートモーティブは関税の詳細が発表される前に、免税措置がない場合、米国製自動車には3000ドル、カナダとメキシコ製自動車には6000ドルが上乗せされると予測していた。
また、4月中旬までに「事実上全ての」北米自動車生産に混乱が生じ、1日当たりの生産台数が2万台(約30%)減少するとしていた。
実際には一時的な免除措置が導入されている。米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づき自動車を輸入する事業者は、米国内で生産された部品を使っていることを証明できれば、その分の関税を免除され海外製の部品に対してのみ関税が適用される。
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