午後3時のドルは149円後半、年度末控え円軟化

3月24日、午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の149円後半で取引されている。2022年撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Shinji Kitamura
[東京 24日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の149円後半で取引されている。日本の年度末が近づき、実需を含む国内勢の買いが押し上げた。円は対ドル以外の通貨に対しても弱含みとなった。
週明けのドル/円は底堅い動きだった。朝方の149円前半からじり高展開となり、午前11時前には一時149.95円まで上昇。午後に入っても、今月19日以来の高値圏を推移した。
アジア市場の米10年債利回りが4.28%台と前週末海外を小幅に上回る水準へ上昇したことがドルを支えたほか、「日本の年度末を見据えて、実需や投資家など幅広い向きがドル買い/円売りに動いている」(国内金融機関のトレーダー)ことが、円売りを誘ったという。
短期筋の円売りを指摘する声もあった。米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめ たIMM通貨先物の非商業部門の取組状況によると、投機筋の円買いは最新の18日時点 で12万枚超と、11日に記録した過去最高水準から小幅に減少した。
ドルはこの間、11日の安値146円台から18日の高値149円後半まで約3円 超切り返した。市場では、日米金利差を負担する必要のあるドル売り/円買いポジション は長期保有が難しいとの見方が広がっていた。
円は対ドル以外でも売りが強まり、ユーロは161円後半から162円前半へ、豪ド ルも93円半ばから94円前半へ上昇した。
夕方にかけて円売りは次第に失速し、午後3時過ぎにドルは149円半ばへ反落した。市場では、4月2日の発動期限が近づく米国の関税政策と、その影響に感心が集中している。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は21日の講演で、現在は政府の政策が急速かつ予測不能に変化しているとの認識を示した上で、「金融政策の変更を急ぐ必要はない」と発言した。
市場では「次回以降の連邦公開市場委員会(FOMC)でも、不透明なので現状維持との選択が続く可能性がある。それは市場にとって『利下げできない』とのメッセージでもあり、米金利とドルが高止まりするシナリオを提供するものだ」(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)との声が聞かれた。
パウエル連邦準備理事会(FRB)議長は19日、FOMC後の記者会見で、不確実性が「異常なほど高まっている」と指摘した上で、「われわれは行動を急ぐつもりはない」と発言していた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 149.69/149.70 1.0829/1.0830 162.10/162.11
午前9時現在 149.66/149.67 1.0834/1.0838 162.18/162.19
NY午後5時 149.31/149.32 1.0814/1.0816 161.44/161.49