アストロスケール、インド企業と連携へ覚書 現地市場に参入検討

スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去などを手掛けるアストロスケールは21日、インドの宇宙関連企業3社と連携に向けた覚書を締結したと発表した。写真は2月21日、東京で撮影(2025年 ロイター/Kantaro Komiya)
Kantaro Komiya
[東京 21日 ロイター] - スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去などを手掛けるアストロスケールは21日、インドの宇宙関連企業3社と連携に向けた覚書を締結したと発表した。宇宙産業の育成に積極的な同国市場への参入を検討する。
覚書を締結したのは、軌道上の物体を監視するサービスを手掛けるディガンタラ、衛星の推進システムを製造するベラトリックス・エアロスペース、海外企業のインド市場開拓を支援するメムコ・アソシエイツ。いずれも南部ベンガルールに拠点を置く。
加藤英毅社長はロイターとのインタビューで、インドの政府機関などに向けたサービスが「1─2年以内に出てくれば」と語った。他の現地企業との連携も視野に入れているとした。
アストロスケールはアストロスケールホールディングスの子会社で、衛星の保守や宇宙ごみの除去など軌道上のサービスを開発。同社グループはこれまで米国や英国でも事業を展開してきた。
韓国や台湾、インドネシア、オーストラリアにも関心を寄せているが、加藤社長は「宇宙分野において米国との接近や、商業企業を育てていこうという動きが非常に早く表れてきた」ことがインドを選んだ決め手だったと説明した。
インド政府は近年、宇宙開発を民間に開放する政策を進めており、昨年7月にはスタートアップ支援のために100億ルピー(約170億円、1ルピー=1.72円)の基金創設を発表した。
日本とインドは政府間、企業間とも宇宙分野の協力関係を強めている。複数の関係者によると、両国政府は近く「日印宇宙対話」を東京で開催し、二国間協力を話し合う見通し。同対話の開催は2019年以来、3回目。