日経平均は小幅続落、材料難で方向感乏しい 3万8000円近辺では上値重い

3月21日 東京株式市場で日経平均は、前営業日比74円82銭安の3万7677円06銭と、小幅に続落して取引を終えた。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Hiroko Hamada
[東京 21日 ロイター] -
東京株式市場で日経平均は、前営業日比74円82銭安の3万7677円06銭と、小幅に続落して取引を終えた。前日の米株安の流れを引き継いで朝方は売りが優勢となったが、次第にプラス転換し底堅い動きが続いた。ドル/円の円高進行が一服したことや、日米の金融政策イベントを波乱なく通過した安心感が相場を支えた。一方、節目の3万8000円に近づくと上値の重さも意識されたほか、材料難で取引一巡後は方向感のない展開となった。米国の関税政策を巡る警戒感も重しとなった。
日経平均は前営業日比132円安でスタートした後、プラス圏に浮上し、前場中盤に一時216円高の3万7968円02銭で高値を付けた。指数寄与度の大きいハイテク株や主力銘柄の一角が底堅く、相場を支えた。一方で、自動車など輸出関連株は軟調で、「米国の関税政策の影響を受けにくい業種へ資金が向かっている」(国内証券・ストラテジスト)との指摘があった。
後場に入ると日経平均は上げ幅を縮小し、一進一退の値動きが継続。週末を前に手掛けにくさも意識され、大引けにかけては小幅安の水準で方向感ない動きとなった。米株先物が小安く推移したことも重しとなった。
市場では「日米の金融政策イベントは波乱なく通過してひとまず安心感はある。ただ、4月2日に予定されている米国の相互関税の動向を見極めたいとするムードもあり、上値は重い」(いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏)との声が聞かれた。一方、「相場の地合いが悪いわけではない」(及川氏)として、目先の日経平均は横ばい圏での推移が続くのではないか、という。
TOPIXは0.29%高の2804.16ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.29%高の1443.42ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は5兆9909億4100万円だった。東証33業種では、銀行、その他製品、鉱業など14業種が値上がり。輸送用機器、金属製品、保険など19業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.04%高の667.10ポイントと小幅に5日続伸した。
きょうグロース市場に新規上場したミークは公開価格を5.62%上回る845円で初値を付け、865円まで上昇。790円で取引を終えた。
個別では、米半導体企業アンペア・コンピューティングを買収すると伝わったソフトバンクグループが1%超高としっかり。三菱UFJフィナンシャル・グループは5%超高と堅調。みずほフィナンシャルグループが3%高、三井住友フィナンシャルグループが3%超高だった。
主力のトヨタ自動車は1%超安。任天堂、ソニーグループはしっかりだった。
プライム市場の騰落数は、値上がり757銘柄(46%)に対し、値下がりが834銘柄(50%)、変わらずが46銘柄(2%)だった。