新興国証券、2月は外国人が159億ドル買い越し 中国株に大幅資金流入

3月13日、国際金融協会(IIF)が発表した2月の新興国証券に対する外国人投資家の資金フローは、159億ドルの買い越しだった。北京で2021年11月撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
Rodrigo Campos
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)が13日発表した2月の新興国証券に対する外国人投資家の資金フローは、159億ドルの買い越しだった。前月は212億ドル、2024年2月は278億ドルの買い越し。
株式は中国株が112億ドルの買い越しで、その他の新興国株は売り優勢だったため、全体で21億ドルの売り越し。逆に債券は、中国債券が151億ドルの売り越しだったものの、他の新興国には332億ドルが流入した。
2月の中国株買い越し規模は24年9月以降で最大に達した。
ABSグローバル・インベストメンツの創業パートナー兼ポートフォリオマネジャー、ギレーム・バーレ氏は、人工知能(AI)や電気自動車(EV)などさまざまな分野における革新的なビジネスモデルの存在とバリュエーションの低さという組み合わせが、中国株の追い風になり続けるとの見方を示した。
米国株から資金を別の場所に移したがっている投資家にとって、1年余りにわたって値上がりしてきた中国株が注目された面もある。
MSCI中国株指数は過去1年で40%上昇したものの、2021年のピークに比べてなお4割以上も低い。このため中国株はまだ上値余地があるとみられている。
IIFのシニアエコノミスト、ジョナサン・フォータン氏は、2月は中国株と他の新興国株の値動きのかい離が鮮明だったと指摘。ただ中国に関しては、規制面のリスクや地政学的な不確実性への警戒感も根強いと付け加えた。
一方中国の労働コスト上昇により、タイやインドネシア、ベトナム、インドなどずっとコストの低い地域の事業機会に目を向け、これらの新興国市場を有望視する向きもある。