ニュース速報
ビジネス

米2月CPI2.8%上昇、鈍化し予想下回る 関税の影響は盛り込まれず

2025年03月13日(木)01時09分

米労働省が12日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.8%上昇した。ロサンゼルスのスーパーマーケットで2022年撮影。(2025年 ロイター/Lucy Nicholson/File Photo)

[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.8%上昇した。伸びは1月の3.0%から鈍化し、市場予想の2.9%を下回った。来週会合を開く米連邦準備理事会(FRB)の金利据え置きの余地が広がるとみられるものの、トランプ米大統領による関税の影響はまだ反映されておらず、一時的な安心感にとどまる可能性もある。

瞬間風速を示す前月比では0.2%上昇と、昨年10月以来の小幅な伸びにとどまり、市場予想の0.3%上昇を下回った。1月は0.5%上昇だった。

FHNフィナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ロー氏は「貿易戦争を受け、今後のインフレ指標では物価上昇が示されるだろう」とし、「物価を巡る不確実性を踏まえ、FRBは現在様子見姿勢を維持しているが、関税の応酬を巡る状況が落ち着けば、年内に追加利下げする可能性は高まった」と述べた。

内訳では、ホテルの宿泊代を含む住居費が前月比0.3%上昇し、2月のCPI上昇のほぼ半分を占めた。1月は0.4%上昇していた。

一方、航空運賃は4.0%下落。企業や消費者が支出を減らし、需要が鈍化している兆候を示唆した。

ガソリンも1.0%下落。世界的な原油需要の減速を反映した。

食品は0.2%上昇。1月は0.4%上昇だった。

問題となっている卵の価格は10.4%高騰し、上昇トレンドが継続。前年比では58.8%急騰した。

バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズの米国エコノミスト、スティーブン・ジュノー氏は、関税などの一時的な要因によるものであっても、インフレがFRBの目標を上回る期間が長引けば、インフレ期待の上振れリスクが高まると指摘。「そうなれば、FRBにとって物価安定の回復はさらに困難になるだろう」と述べた。

変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前年比3.1%上昇し、2021年4月以来の小幅な伸びとなった。市場予想は3.2%、1月は3.3%上昇だった。

前月比では0.2%上昇。予想は0.3%上昇、1月は0.4%上昇だった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

欧州5カ国の国防相が会談、防衛力強化やウクライナ安

ビジネス

カナダ中銀0.25%利下げ、トランプ関税で「新たな

ワールド

EUの関税、蒸留酒業界に「壊滅的な結果」=業界団体

ワールド

G7、米によるカナダ「併合」について議論しない=米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたト…
  • 5
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 6
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 7
    トランプ第2期政権は支離滅裂で同盟国に無礼で中国の…
  • 8
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 9
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 10
    「トランプの資産も安全ではない」トランプが所有す…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 10
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中