今月利下げの必要なし、高関税は対処が困難=ウォラーFRB理事

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は6日、インフレの緩和に基づき年内に利下げを実施する可能性は依然として高いとする一方、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性は低いとの見方を示した。写真は2024年11月、米ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は6日、インフレの緩和に基づき年内に利下げを実施する可能性は依然として高いとする一方、今月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性は低いとの見方を示した。
ニューヨークで開かれたウォール・ストリート・ジャーナルのイベントでの発言。
同理事は、FRBの政策は依然として制約的であり、年内に2回の緩和を実施するという基本シナリオは維持されていると述べた。
「2月のインフレ指標を確認したい。関税政策がどうなるか、もう少し様子を見たい」と説明。「もし、インフレが目標に逆行していると考えるなら、次の会合で金利を引き下げることができるとは言えないだろう」と述べた。一方、その後の会合では金融緩和が正当化できる可能性があるとした。
それは景気低迷に対抗するための利下げではなく、インフレ圧力の緩和に伴う利下げだとしつつ、最近の指標が景気低迷の拡大を示していることを認め、それがより広範な政府統計に反映されるかどうかを見守っていると語った。
金融市場で見込まれている利下げの可能性は現在、3月はごくわずかで、5月は五分五分、6月については織り込まれている。
ウォラー氏はトランプ政権による関税について、企業や経済全体にとって対処が困難になると警告。「25%の関税下で利益を確保するのは非常に難しい」とした。
トランプ大統領が現在推進している貿易政策は1期目時点よりもはるかに広範囲に及び、経済状況も大きく異なるため、政策の影響を比較するのは困難だと指摘した。また、市場は深刻な長期インフレを織り込んでいないと警鐘を鳴らした。