テスラ、中国でオートパイロット更新 期待外れの声も
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2月25日、米電気自動車大手テスラは中国で運転支援システム「オートパイロット」をアップデートしたが、期待されていた高度な「フルセルフドライビング(FSD)」ではなく、所有者からは失望の声が上がった。写真は北京にあるテスラの配送センター。1月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
[上海 25日 ロイター] - 米電気自動車大手テスラは25日、中国で運転支援システム「オートパイロット」をアップデートしたが、期待されていた高度な「フルセルフドライビング(FSD)」ではなく、所有者からは失望の声が上がった。
テスラによると、今回のアップデートには、速度やルートに応じて車線を自動変更する機能や、交差点で信号を検知して曲がるかどうかを判断する機能などが含まれる。また車載カメラが運転手の様子を監視する機能も追加された。
ある関係者は、これらの機能はテスラがFSDで提供しているものと似ているが、米国で利用可能なものより劣ると指摘した。中国の道路や交通規則に関するデータ訓練が不十分なためという。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、完全なオートパイロットとFSDを中国に導入したいが、米中両政府が課す技術的制限のため難航していると述べている。同社は今年、2024年末という当初の目標を延期した。
中国のソーシャルメディアでは、今回のアップデートはテスラが長年宣伝してきた機能を実現するものではなく、期待外れだったとの投稿が見られた。中国自動車メーカーは同様の運転支援機能を低価格または無料で提供しているとの指摘もあった。
テスラはFSDソフトウェアの限定バージョンに対して、9000ドル近くの追加料金を設定している。一方、小米(シャオミ)は高度な自動運転システムを無料で提供している。比亜迪(BYD)も今月から大半のモデルで無料提供を開始した。