世界の電力需要、27年まで年4%増加へ 中国は6%増=IEA
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国際エネルギー機関(IEA)は14日発表した報告書で、世界の電力需要が2027年まで毎年4%のペースで拡大するとの見通しを示した。写真は、中国の鉄塔と送電線。2021年12月、北京市で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
[パリ 14日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は14日発表した報告書で、世界の電力需要が2027年まで毎年4%のペースで拡大するとの見通しを示した。年間の電力需要の伸びは日本の総消費量を上回るという。
世界の電力需要の伸びの85%は新興国と途上国が占める見通し。伸びの半分以上は中国によるもので、中国の電力需要は27年まで年6%のペースで拡大すると見込まれている。
中国では20年以降、電力を大量に消費する工業部門や、太陽光パネル、バッテリー、電気自動車(EV)、関連材料の製造など電力集約型製造業の急速な拡大を背景に、電力需要が経済成長を上回るペースで伸びている。
空調、データセンター、5G(第5世代)ネットワークも電力需要増加の原因。
インドも世界の電力需要の伸びの10%を占める見通し。活発な経済活動やエアコンの急速な普及が背景。
米国など、これまで電力需要が停滞していた一部の先進国も、輸送、暖房、データセンターなどの分野で急速に電化が進むため、電力需要が拡大する見通しという。
欧州連合(EU)の電力需要の伸びは昨年7月時点の予測から1%ポイント下方修正され今年1.6%となる見込み。マクロ経済の見通し悪化が背景。21年の需要水準を回復するのは少なくとも27年以降になるという。
再生可能エネルギーや原子力といった低排出エネルギー源は、世界の需要増加傾向に対応できる見通し。電源構成で石炭のシェアを引き続き上回っているという。石炭のシェアは100年ぶりに33%を下回る見通し。
27年には太陽光が水力に次ぐ2番目に大きな低排出エネルギー源になると見込まれている。