米中貿易戦争は欧州にも打撃、リセッションは予想せず=ECB専務理事
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FILE PHOTO: Piero Cipollone, deputy governor of the Bank of Italy, poses in Rome, Italy, 2015, in this handout picture. Banca d'Italia's official website/Handout via REUTERS/File Photo
Balazs Koranyi Francesco Canepa
[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は、ユーロ圏のインフレ率が低下し、金利はさらに低下する余地があると述べた。ただ米中貿易戦争によりユーロ圏が悪影響を受ける可能性があると指摘した。ロイターのインタビューで述べた。
ECBは昨年6月から先月にかけて5回利下げをした。投資家は今年、少なくともあと3回利下げがあると予想している。
チポローネ氏は「われわれは、まだ金利を下げる余地があるとの認識で一致している」と述べた。インフレ率はECBの目標に接近しているとし、政策は制約的な領域にあるとの認識を示した。ただ、エネルギー価格の上昇や世界的な貿易摩擦が方向性の異なる影響を持つとして、現段階で3月の利下げを含め、特定の動きにコミットする意味はない、とも述べた。
ユーロ圏経済については、ECBが2025年に4回の利下げを想定した昨年12月以降、根本的には変わっていない。
「ファンダメンタルズは変わっていないので、大きな方向転換は予想していない」と述べ、「インフレ目標への収束は、利下げ路線と整合的」とした。
<中国リスク>
チポローネ氏は、大きな不確実性は米国の貿易政策と指摘し、欧州に直接的な貿易障壁が設けられる前でも大きな打撃を与える可能性があると述べた。
「私がより懸念しているのは、トランプ米大統領が中国との全面的な貿易戦争に突入した場合だ。中国は世界の製造能力の35%を占めているため、より深刻な脅威だ」と述べた。
米国は今週、中国からの輸入品に10%の追加関税を発動。中国も即座に対抗措置を取った。
チポローネ氏は、中国は米国へのアクセスが制限されれば他の市場を探さざるを得なくなり、欧州に安値攻勢をかける可能性があると指摘した。
米ワシントンのシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所が作成したモデルは、米国の関税発動は、米国の成長率に打撃を与えるものの、打撃は相手国より軽微と試算する。
チポローネ氏は、欧州が関税により受ける影響は深刻ではないとみている。同氏は、企業は利益率を多少犠牲にすることでコスト上昇を一部吸収することが可能で、対ドルでのユーロ安は緩衝材になるとした。
また労働市場の底堅さ、消費回復の見込み、建設業の好調を挙げ、利下げが経済に浸透しており、過去2年間リセッションに陥っていた産業界も底打ちの兆しを見せていると指摘した。
「好景気にはならないかもしれないが、リセッションは全く予想していない」と述べた。
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