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NY市場サマリー(5日)米国株続伸、ドル1週間ぶり安値、利回り低下

2025年02月06日(木)06時49分

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが約1週間ぶりの安値に下落した。世界的な貿易戦争に対する投資家の懸念が和らいだことが背景。日本円は賃金データが好調だったことから大きく上昇した。

主要6通貨に対するドル指数<=USD>は一時、1月27日以来の安値107.29を付けた。終盤では0.435%下落の107.58となった。

トランプ政権は先週末、メキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を2月4日から課すと発表したが、その後、発動を3月1日まで延期した。中国からの輸入品に対する10%の追加関税は4日に発効した。

フォレックスライブの主任通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「特に、中国が過度に強硬な反撃をしなかったことで市場は安堵(あんど)した。これは中国が当面、米国の関税を容認する意向を示している」と指摘した。

ユーロは0.24%上昇して1.041ドルとなった。2日には一時2.3%下落していた。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが数週間ぶりの低水準を付けた。1月の米供給管理協会(ISM)非製造業総合指数が低下したことや、トランプ大統領による「ガザ所有・復興」構想、米関税政策と貿易戦争の可能性に関する根強い不確実性が材料となった。

トランプ米大統領は4日、パレスチナ自治区ガザについて、パレスチナ人が別の土地に再定住した後に米国が掌握し、経済発展させるという計画を提案した。

これは世界的な困惑と反発を招き、安全資産としての米国債への買いが刺激された。

FHNファイナンシャルのマクロストラテジスト、ウィル・コンパーノレ氏は「トランプ氏の提案は地域紛争の拡大を招くリスクを生み出している」と指摘した。

この日の債券買いをさらに後押ししたのは、米国財務省の借り換え発表で、予想通り4─6月期までの入札増額はない見込みが示されたことだ。財務省は2023年8月以来、入札規模を据え置いているが、いつ入札規模を拡大するかについては指針を示していない。入札規模を一定に保つことは、当面の債務供給が安定し、市場が現在の発行額をスムーズに吸収できることを示唆している。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は主要3指数がいずれも一時の下げから切り返し、続伸して取引を終えた。グーグルの持ち株会社アルファベットのさえない決算を消化したほか、米連邦準備理事会(FRB)による今後の利下げ見通しが意識された。

アルファベット株は下落。第4・四半期決算でクラウドコンピューティング事業の減速が示された。人工知能(AI)構築に向けた2025年の設備投資は約750億ドルになる見通しで、市場予想を上回る支出となる。

AI関連銘柄は先週、中国の新興企業ディープシークが開発した低価格・高性能のAIモデル台頭を受けて売りが広がったが、一部は回復の兆しを見せている。下げがきつかった半導体大手エヌビディアはこの日上昇した。

一方、半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は下落。第1・四半期のデータセンター事業売上高が前四半期から約7%減少する見通しが嫌気された。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、 米中の貿易摩擦激化への警戒感が広がる中、安全資産としての金需要が高まり、3日続伸した。

中国政府は前日、トランプ米政権による対中追加関税への対抗措置として、米国からの 一部輸入品に最大15%の追加関税を課すと明らかにした。中国外務省の林剣副報道局長 は5日の記者会見で、米国の関税発動に触れ、「圧力や脅しは通用しない」と発言。報復関税に関しては「正当な権利を守るのに必要な措置だ」と述べた。両国の応酬が激化する中、リスクを回避する資金逃避先として金に注目が集まり、強地合いが継続した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需要鈍化懸念を背景とした売りが拡大し、続落した。

トランプ米大統領は4日、敵対するイランへの「最大限の圧力」政策を復活させると発表。同氏は政権1期目、イランの核開発阻止を目指して制裁を強化し、同国産原油輸出を ほぼ完全に停止させた時期があり、市場では供給不安が台頭した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY午後4時 152.69/152.

70

始値 152.87

高値 153.20

安値 152.12

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0404/1.04

06

始値 1.0413

高値 1.0442

安値 1.0402

米東部時間

30年債(指標銘柄) 16時33分 97*22.5 4.6427

0 %

前営業日終値 96*02.0 4.7480

0 %

10年債(指標銘柄) 16時29分 98*20.0 4.4241

0 %

前営業日終値 97*30.0 4.5130

0 %

5年債(指標銘柄) 16時32分 100*00. 4.2481

25 %

前営業日終値 99*22.5 4.3170

0 %

2年債(指標銘柄) 16時31分 99*28.3 4.1848

8 %

前営業日終値 99*26.6 4.2140

3 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 44873.28 +317.24 +0.71

前営業日終値 44556.04

ナスダック総合 19692.33 +38.32 +0.19

前営業日終値 19654.02

S&P総合500種 6061.48 +23.60 +0.39

前営業日終値 6037.88

COMEX金 4月限 2893.0 +17.2

前営業日終値 2875.8

COMEX銀 3月限 3297.6 ‐4.6

前営業日終値 3302.2

北海ブレント 4月限 74.61 ‐1.59

前営業日終値 76.20

米WTI先物 3月限 71.03 ‐1.67

前営業日終値 72.70

CRB商品指数 307.9816 ‐1.3231

前営業日終値 309.3047

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