ドイツ銀、中国の合弁事業巡る交渉決裂 出資比率で折り合えず
ドイツ銀行と資産運用子会社のDWS、中国郵政貯蓄銀行(PSBC)の間で進められていた中国での合弁事業を巡る交渉が決裂したことが、消息筋の話で明らかになった。写真は2018年3月、フランクフルトで撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
Selena Li
[香港/ロンドン 28日 ロイター] - ドイツ銀行と資産運用子会社のDWS、中国郵政貯蓄銀行(PSBC)の間で進められていた中国での合弁事業を巡る交渉が決裂したことが、消息筋の話で明らかになった。中国側はドイツ銀に合弁事業への出資比率を引き上げるよう要求したが、ドイツ銀行はこれを拒否した。
事情に詳しい2人の消息筋によると、DWSは以前から中国における資産運用事業の拡大を目指しており、この約5年間にわたってPSBCと協議してきた。
中国では国内投資家の間で高まる需要を満たすためブラックロックとゴールドマン・サックスの米国勢が中国の大手銀行と提携する新たな枠組みが導入されているだけに、交渉の決裂はドイツ銀にとって痛手となりそうだ。
消息筋によると、DWSの直近の計画では合弁事業への出資比率はドイツ銀が47.5%、PSBCが47.5%、米投資会社アレス・マネジメントが5%となっていた。
中国当局はドイツ銀に対し、合弁事業への過半数出資を求めたが、ドイツ銀は応じなかったという。ドイツ銀が過半数出資を拒んだ理由は明らかではない。
DWS、ドイツ銀、アレス・マネジメントはコメントを拒否した。中国の銀行監督当局である国家金融監督管理局(NFRA)とPSBCは取材に応じていない。
DWSのステファン・フーブズ最高経営責任者(CEO)は以前から、アジア太平洋地域は戦略的に重要な地域だと表明していた。ただDWSは、中国の資産運用会社である嘉実基金(ハーベスト・ファンド)への30%出資を通じて中国に事業基盤を築いている。
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