実質消費支出、11月まで4カ月連続減 消費回復「足踏み」
総務省が1月10日発表した昨年11月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出は前年比0.4%減となった。都内の商店で2023年3月撮影(2025年 ロイター/Androniki Christodoulou)
Tetsushi Kajimoto
[東京 10日 ロイター] - 総務省が10日発表した昨年11月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出は前年比0.4%減と4か月連続減少となった。11月前半まで気温が高止まりし、秋物衣料品やエアコンの売れ行きが鈍ったほか、物価高騰で家計の節約志向が強まる中、食料品の支出も減少した。
総務省幹部は家計調査について「(消費支出の)マイナス幅は縮小しているが、個人消費は足踏みの状況」が続いているとしている。
項目別には、暖房エアコンや家庭用耐久財など家具・家事用品が前年同月比13.8%減少したほか、洋服・和服などの被服・履物類が同13.7%減となった。食料品も0.6%のマイナス。菓子類が売れず、牛肉・豚肉の需要もより低価格の鶏肉などにシフトした。
ロイターの事前予測調査では11月の実質消費支出は同0.6%減が予想されていた。
季節調整済み実質消費支出は前月比0.4%増と2カ月連続の増加だった。ロイターの事前調査では0.9%の減少が予測されていた。
同調査は、国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費との相関性が高い。GDPの個人消費は昨年1─3月期まで4四半期連続減となっていたが、春闘賃上げや夏のボーナス支給、所得税減税などの政策効果にも支えらえ、7─9月期までに、2四半期連続の増加へ反転していた。
一方、高止まりする物価の影響から、インフレーションを加味した実質賃金は11月まで4カ月連続の減少を記録、政府・日本銀行の目指す賃金・物価の好循環実現の難しさを改めて示している。
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*総務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm [http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm]
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