ホンダ、新EV商品群第1弾は中型SUV 26年前半に北米投入
ホンダは、新型電気自動車(EV)商品群「0(ゼロ)シリーズ」の第1弾として中型のスポーツ多目的車(SUV)を発売する。写真は、イベントに展示された同社ロゴ。2017年10月、東京で撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)
Maki Shiraki
[ラスベガス/東京 8日 ロイター] - ホンダは、新型電気自動車(EV)商品群「0(ゼロ)シリーズ」の第1弾として中型のスポーツ多目的車(SUV)を発売する。2026年前半に北米で、その後、日本や欧州などで展開する。需要の高いSUVでスタートし、第2弾として同年中にミニバンを投入する。米ネバダ州ラスベガスで8日(現地時間7日)に開幕した世界テクノロジー見本市「CES」で、具体的なモデルと投入順を初めて明らかにした。
中型SUVは昨年のCESで披露したコンセプト車「SPACE-HUB(スペースハブ)」、ミニバンは同「SALOON(サルーン)」がベース車で、今年はこの試作車2台を初公開した。
ゼロに搭載する独自OS(基本ソフト)も公表。同社の二足歩行の人型ロボット「ASIMO(アシモ)」を名称に冠したアシモOSは、自動運転などの車のシステムを制御するECU(電子制御ユニット)を統合的にコントロールし、販売後も無線通信で車の機能や性能を更新できる「ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)」を実現する。
ホンダは基礎技術研究の一環として1986年にアシモの開発を始め、2000年に発表。18年までに開発は終えたが、その後も外界認識技術や人の意図をくみ取って行動する自律行動制御技術などのロボティクス技術を進化させてきた。これらの技術と知能化技術を融合してSDVに生かす。
ルネサスエレクトロニクスと、20年代後半以降に発売するゼロのSDV向け半導体の開発契約を結んだことも発表した。開発するのは複数の半導体を一つのチップに集積させたSoC(システム・オン・チップ)で、両社によると業界トップクラスのAI(人工知能)処理性能と電力効率を発揮する。
ゼロには、ホンダが世界に先駆けて日本で市販化した自動運転技術「レベル3」を搭載。現在は高速道路で渋滞時に速度を抑えて走行する場面など一定の条件下でのみ運転者が前方から視線を外すことができるが、今後は使用可能な場面や車速の範囲を徐々に広げ、一般道での走行も目指す。
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