日鉄・USスチールの提訴、トランプ次期政権との交渉時間稼ぎに=識者
1月6日、日本製鉄が米鉄鋼大手USスチール買収阻止を巡り同社と共同で起こした訴訟は、勝利の見込みは薄いものの、買収実現に向けてトランプ次期大統領との交渉時間を稼げる可能性はある。写真は日本製鉄のロゴ。東京で2024年4月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
(第1段落の脱字を補って再送します)
Alexandra Alper
[ワシントン 6日 ロイター] - 日本製鉄が米鉄鋼大手USスチール買収阻止を巡り同社と共同で起こした訴訟は、勝利の見込みは薄いものの、買収実現に向けてトランプ次期大統領との交渉時間を稼げる可能性はある。
両社は6日、日鉄によるUSスチール買収に不当な介入があったとして、バイデン大統領の買収禁止命令や対米外国投資委員会(CFIUS)による審査の無効を求める訴訟など複数の訴えを起こしたと発表した。
DLAパイパーの弁護士ニック・クライン氏は、裁判所は通常、国会安全保障の問題に関して行政府に非常に寛大だと指摘。それでも、今回の提訴によって、新政権と交渉したり、受け入れ可能な代替案を見つけたりする時間が増えるとの見方を示した。勝訴は絶望的かもしれないが、両社がトランプ次期大統領を説得できれば、買収に向けて新たな道が開ける可能性があるという。
トランプ氏は先月、自身の交流サイトに「かつて偉大で強力だったUSスチールが外国企業、この場合は日本製鉄に買収されることには完全に反対だ」と投稿。「大統領として私はこの取引を阻止する」とくぎを刺した。
ウィルソン・ソンシーニの弁護士ジョシュア・グルエンスペクト氏も、トランプ氏は「自分の考えを変えた過去がある」と述べ、この訴訟を時間稼ぎの駆け引きとみている。
日鉄はコメントを控え、USスチールはコメント要請に応じていない。
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