米、国内アンチモン採掘を許可 中国禁輸で調達体制構築へ
バイデン米政権は3日、鉱物探査会社ペーペチュア・リソーシズ(アイダホ州ボイシ)にアイダホ州の鉱山でのアンチモンと金の採掘許可を出した。2日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
Ernest Scheyder
[3日 ロイター] - バイデン米政権は3日、鉱物探査会社ペーペチュア・リソーシズ(アイダホ州ボイシ)にアイダホ州の鉱山でのアンチモンと金の採掘許可を出した。アンチモンは弾薬や赤外線ミサイル、難燃剤などに使われる重要鉱物。これまで米国内に供給源がなかったが、中国が昨年12月に対米輸出を原則禁止しており、国内調達体制を構築する。
同社の採掘計画を8年にわたり審査していた米森林局がこのほど実質的な採掘許可証に相当する最終決定記録をウェブサイトに公開した。
ペーペチュアの鉱山はボイシの北約222キロに位置し2028年までに操業を開始する予定。米国の年間アンチモン需要の35%以上を供給するほか、毎年45万オンスの金を生産する見通し。
森林局は154ページの報告書の中で、パーペチュアの計画に関する決定は環境データの詳細な検討や先住民グループとの話し合い、および他の連邦機関との協議に基づいていると説明した。
「(鉱山の)環境設計の特徴や監視システム、緩和策により、(連邦政府所有地の)環境への悪影響をどの程度最小限に抑えられるかを考慮した」と森林局のマシュー・デイビス氏は報告書で述べた。
指摘を受けて計画を3回修正したペーペチュアはこの鉱山を「可能な限り最高のもの」にできると信じていると表明。「このプロジェクトのあらゆる細部は綿密に検討された」とジョン・チェリー最高経営責任者(CEO)は語った。
ペーペチュアは米陸軍工兵隊から湿地開発に関する許可を取得する必要があるが、森林局は同局と協議した上で決定を下したと述べており、今後の審査は順調に進むとみられる。
パーペチュアの株価は、ロイターの報道を受けて時間外取引で9.1%上昇した。
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