ロシア中銀、年明けルーブル支援を60%減額へ 金融制裁後も市場安定
12月26日、ロシア中央銀行は、2025年1月第1週の外国為替市場で通貨ルーブル相場の支援を緩め、市場介入の外貨売り越しを約60%減額する方針を表明した。写真はロシア中銀。モスクワで2015年1月撮影(2024 ロイター/Grigory Dukor )
Elena Fabrichnaya
[モスクワ 26日 ロイター] - ロシア中央銀行は、2025年1月第1週の外国為替市場で通貨ルーブル相場の支援を緩め、市場介入の外貨売り越しを約60%減額する方針を表明した。これを受けてルーブルがやや下落したものの、1ドル=100ルーブル程度に下げ止まった。
Tバンク関係者は中銀方針について「中銀が(11月の米国による追加の)金融制裁後も市場は安定していると見なしていることを意味する」と指摘。アナリストらは、これまでの中央銀行のルーブル支援策は効果を上げており、支援策の一部停止が可能になったと話している。
ロシアには複雑な通貨管理の仕組みがあり、国内への外貨供給を確保するため中銀が国民福祉基金(NWF)を運営する財務省に代わって外為市場で外貨を売買している。
ルーブルは11月、米国による追加の対ロ金融制裁を受けて約2年半ぶりの安値まで落ち込んだことから、中銀が財務省に代わってルーブル防衛に乗り出した。
この時、外貨買い介入を先延ばしすることでルーブルを下支えし、外貨売り越しは急増。1日当たりルーブル換算で4.3億ルーブルから8.4億ルーブルに膨らんだ。この結果、ルーブル相場は持ち直し、市場では1ドル=100円ルーブル台が新たな均衡水準と見られている。
ロシア中銀は欧米の制裁のためドルやユーロを売買できない。人民元が現在ロシアで最も取引される外貨であり、市場介入に唯一使える通貨となっている。
ロシアの予算規則では、財務省は石油とガスの輸出収入の不足を補う際には財政の予備費であるNWFを取り崩して市場で外貨を売却する。逆に収入が余剰になった場合は外貨を購入する。
中銀は財務省とは別に外貨取引をしている。来年上半期に1日当たり88億6000万ルーブル(8905万ドル)相当の外貨売却を実施する見通しだ。
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