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カナダの報復関税を懸念、米からの鉱山機械輸出に影響=コマツ社長

2024年12月20日(金)08時46分

 12月20日、コマツの小川啓之社長(写真)はロイターとのインタビューで、トランプ次期米大統領が表明した追加関税に対してカナダが報復関税を課す可能性に懸念を示した。12月16日、都内の同社本社で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Maki Shiraki Kantaro Komiya

[東京 20日 ロイター] - コマツの小川啓之社長はロイターとのインタビューで、トランプ次期米大統領が表明した追加関税に対してカナダが報復関税を課す可能性に懸念を示した。カナダは同社が米国で生産する鉱山機械の最大の輸出先で、「大きな影響がある」と語った。

トランプ氏は大統領選期間中、各国に一律10━20%の追加関税を導入すると主張し、当選後にはカナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す考えを表明した。

小川社長は「一番心配しているのは、米国が関税をかけたことによる報復関税だ」と指摘。「我々は自由貿易をベースにビジネスをしている。関税の掛け合いになることでダブルで影響が出てくる」と語った。

北米はコマツの売上高全体の25%以上を占め、同社は北米において輸出企業となっている。2017年に米鉱山機械メーカーのジョイ・グローバルを買収して以降、北米への輸入と北米からの輸出を差し引いた「トレードギャップをみると、今の為替レートで年間10億ドル、1500億円ぐらい輸出が勝っている状況にある」という。

米国の従業員は約8000人、販売代理店の9000人強を含めると約1万7000人の雇用を創出している。小川社長は「北米ではかなりビジネス面で貢献していることを認識していただきたい」と語り、今後も米国への投資を続けると強調した。

追加関税の影響は、中国から米国に輸入している板金部品などにも及ぶ可能性があるが、小川社長は「大きくない」とした。同じ部品を中国以外からも確保できる体制を構築しているとし、「2━3カ月程度」で東南アジアなどに調達先を変更できると話した。

トランプ氏の大統領復帰でシェールガスやシェールオイルの開発が再び活気づく可能性があり、コマツや競合の米キャタピラーなどには追い風となり得る。小川社長は「ある程度プラス」と説明し、今は供給過剰感から不振のレンタル市場も「ある程度回復するのでは」との見方を示した。

26年3月期の事業環境は全体的に「厳しい」と予想、世界的に「急激な需要回復は見込みにくい」と述べた。人件費などの固定費が上昇する一方、サプライチェーン(供給網)が正常化して需要に対する供給能力が十分にある中、値上げしづらい環境になっているとも語った。

(白木真紀、小宮貫太郎 編集:久保信博)

*インタビューは16日に実施しました。

ロイター
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