ムーディーズ、ハンガリーの見通しを「ネガティブ」に引き下げ
11月30日、格付け会社ムーディーズは29日、ハンガリーの格付け見通しを「安定」から「ネガティブ」に引き下げた。写真はムーディーズの看板。米ニューヨーク州で2011年8月撮影(2024 ロイター/Mike Segar)
Aatrayee Chatterjee Gergely Szakacs
[30日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは29日、ハンガリーの格付け見通しを「安定」から「ネガティブ」に引き下げた。欧州連合(EU)の資金にアクセスできなくなる恐れがあるほか、選挙前の支出増で財政赤字が悪化する可能性があるためとした。
具体的には、資金を巡るEUとの合意がさらに大幅に遅れたり、財政再建反転の兆候や成長が予想を大きく下回る兆候が見られたりした場合、信用格付けを引き下げる可能性があると指摘。
「ネガティブの見通しは、当面格上げの可能性が低いことを示している。ただ、対EU関係が大幅かつ持続的に改善すれば安定に戻る公算が大きい」と説明した。
ハンガリー経済省は、中欧最大の財政赤字と公的債務の削減に取り組んでいるとした上で、来年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比を3.7%にする目標を維持した。
オルバン首相は、国家主権保護法を巡って欧州委員会と対立しており、同国向けのEU資金数十億ユーロ相当の拠出が停止されている。