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米電力業界、次期政権にインフレ抑制法の税制優遇策存続を要望

2024年11月22日(金)09時52分

 11月20日、米国の電力業界は、トランプ次期政権と共和党が多数派となる議会上下両院に対して、インフレ抑制法(IRA)に盛り込まれたクリーンエネルギーや電気自動車(EV)向け税制優遇措置の存続を要望している。写真はエジソン・インターナショナルのペドロ・ピサロ社長兼CEO。2022年5月、カリフォルニア州ビバリーヒルズで撮影(2024年 ロイター/David Swanson)

Valerie Volcovici

[バクー 20日 ロイター] - 米国の電力業界は、トランプ次期政権と共和党が多数派となる議会上下両院に対して、インフレ抑制法(IRA)に盛り込まれたクリーンエネルギーや電気自動車(EV)向け税制優遇措置の存続を要望している。サザン・カリフォルニア・エジソンを傘下に置くエジソン・インターナショナルのペドロ・ピサロ社長兼最高経営責任者(CEO)が明らかにした。

2022年にバイデン政権が制定したIRAは、気候変動対策の切り札と位置付けられ、クリーンエネルギーに関する多額の政府助成が定められた。ただ気候変動に懐疑的なトランプ次期大統領はIRAの撤回を公約に掲げている。

こうした中で最近まで電力業界団体のエジソン電力協会(EEI)会長を務めていたピサロ氏は、EEIのメンバーが政権移行チームと共和党議員らにIRAを維持することが企業と消費者双方のためになるとの説得を続けていると述べた。

アゼルバイジャンで開かれている国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の傍らロイターのインタビューに応じたピサロ氏は「業界として大きな優先事項の1つはIRAのメリットを強調していくことになる。(IRAの)恩恵のほとんどはわれわれの株主ではなく、直接的に電力料金を通じて顧客に向けられる」と語った。

またピサロ氏は、EEIのメンバーにとってエネルギー貯蔵や送電、原子力、水素、EVなどの分野でIRAの税控除が残ることが成長を持続する上で必要不可欠だと訴えた。

ロイター
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