独経済停滞の公算、労働市場減速 関税措置も重しに=連銀月報
ドイツ連邦銀行(中央銀行)が19日に発表した月報によると、労働市場の継続的な弱さや新たな貿易関税が導入される可能性を背景に、ドイツ経済は第4・四半期に停滞する公算が大きい。写真はドイツのショルツ首相。6日撮影(2024年 ロイター/Annegret Hilse)
[フランクフルト 19日 ロイター] - ドイツ連邦銀行(中央銀行)が19日に発表した月報によると、労働市場の継続的な弱さや新たな貿易関税が導入される可能性を背景に、ドイツ経済は第4・四半期に停滞する公算が大きい。
ドイツ連邦統計庁が先月発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.2%拡大した。政府支出と家計支出に支えられ予想外に増加した。
ただ、連銀は国外からの需要と投資が依然として弱いことから、この成長が続くことを示唆するものはほとんどないとし「どの主要な需要要因も、現時点ではドイツ経済の顕著な短期的回復を示す根拠にはほとんどなっていない」と指摘した。
また連銀は「新たな関税障壁は国際貿易に相当なリスクをもたらす」と警告。トランプ次期米大統領の保護主義的な姿勢について示唆している可能性がある。
団体交渉合意による賃金上昇率については、第3・四半期に前年比8.8%とピークに達し、足元では「著しく低下」している可能性が高いと指摘。「長期にわたる経済減速とインフレ率の大幅な低下を考慮すると、今後の賃金上昇率は過去2年間よりも著しく低くなることが予想される」とした。