欧州新興テックの資金調達は今年停滞、IPO増加見込み=報告書
11月19日、ベンチャーキャピタル会社アトミコは、今年の欧州テクノロジー系スタートアップ企業の資金調達額は昨年の水準をわずかに下回る水準で停滞しそうだが、新規上場は再び増えそうだとする業界報告書を出した。写真はユーロ紙幣。ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2022年7月撮影(2024 ロイター/Dado Ruvic)
Anne Kauranen Supantha Mukherjee
[ヘルシンキ 19日 ロイター] - ベンチャーキャピタル会社アトミコは19日、今年の欧州テクノロジー系スタートアップ企業の資金調達額は昨年の水準をわずかに下回る水準で停滞しそうだが、新規上場は再び増えそうだとする業界報告書を出した。
新興テック企業に対するベンチャーキャピタルの資金提供額は欧州で今年450億ドル(427億ユーロ)に達し、2015年(150億ドル)の3倍に達するものの、過去最高だった21年の1010億ドルの半分にも満たず、昨年の470億ドルをわずかに下回る見通しという。
アトミコのプリンシパル、サラ・グエムリ氏はロイターに「24年下半期には(資金調達・提供額が)伸びる兆しが見られており、25年はプラスになると予想している」と述べた。
IPO(新規株式公開)件数は過去4年で減少しており、24年はこれまでのところ11件で、過去10年間で最も少なくなりそうだという。
ただ、アトミコは「閑散期を経て、株式公開意向を表明する欧州企業が増えている」と指摘。英国のフィンテック企業RevolutとZopa、エストニアの配車サービス企業Boltを挙げた。