ECB、一段の利下げ必要 米関税などに対応=チポローネ専務理事
欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は15日、ユーロ圏経済の回復を後押しすると同時に、米国の次期政権が導入する可能性のある関税措置に備えるため、ECBは一段の利下げを実施する必要があるとの考えを示した。(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay)
[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は15日、ユーロ圏経済の回復を後押しすると同時に、米国の次期政権が導入する可能性のある関税措置に備えるため、ECBは一段の利下げを実施する必要があるとの考えを示した。
チポローネ氏は先週の米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことに直接的に言及しなかったものの、「米国が導入する可能性のある貿易関税が(ユーロ圏の)経済活動と消費者信頼感に対する大きな重しになる恐れがある」と指摘。関税措置に起因するディスインフレ効果はユーロ相場の低下や報復関税措置などで相殺され、結果的に輸入物価の上昇につながる可能性があるとの考えを示した。
ECBの金融政策については、利下げで投資が刺激され、生産性が向上すると指摘。現在のリスクバランスを踏まえると、一段の利下げが可能になるとの考えを示した。ただ、利下げのペースと度合いは今後の経済指標次第になるとも述べた。
チポローネ氏はハト派として知られる。
ECBは6月以降、3回の利下げを実施。市場では、ECBは12月12日の次回理事会で0.25%ポイントの追加利下げを決定し、来年春にかけて一段の利下げを実施していくと予想されている。