ニュース速報
ビジネス

ECB、一段の利下げ必要 米関税などに対応=チポローネ専務理事

2024年11月16日(土)03時41分

欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は15日、ユーロ圏経済の回復を後押しすると同時に、米国の次期政権が導入する可能性のある関税措置に備えるため、ECBは一段の利下げを実施する必要があるとの考えを示した。(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は15日、ユーロ圏経済の回復を後押しすると同時に、米国の次期政権が導入する可能性のある関税措置に備えるため、ECBは一段の利下げを実施する必要があるとの考えを示した。

チポローネ氏は先週の米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことに直接的に言及しなかったものの、「米国が導入する可能性のある貿易関税が(ユーロ圏の)経済活動と消費者信頼感に対する大きな重しになる恐れがある」と指摘。関税措置に起因するディスインフレ効果はユーロ相場の低下や報復関税措置などで相殺され、結果的に輸入物価の上昇につながる可能性があるとの考えを示した。

ECBの金融政策については、利下げで投資が刺激され、生産性が向上すると指摘。現在のリスクバランスを踏まえると、一段の利下げが可能になるとの考えを示した。ただ、利下げのペースと度合いは今後の経済指標次第になるとも述べた。

チポローネ氏はハト派として知られる。

ECBは6月以降、3回の利下げを実施。市場では、ECBは12月12日の次回理事会で0.25%ポイントの追加利下げを決定し、来年春にかけて一段の利下げを実施していくと予想されている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中韓首脳が会談、協力関係など協議

ワールド

日米韓の首脳が会談、連携強化へ トランプ氏就任にら

ビジネス

原油先物2%安、中国の需要低迷巡る懸念と不透明な米

ビジネス

コアインフレ率、来年初に低下すると予想=米リッチモ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 5
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 6
    投資家は「東京メトロ」をどう見るべきか...「今さら…
  • 7
    新たな大谷翔平伝説が始まる...「ますますリスペクト…
  • 8
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 9
    「ワキ汗」は健康の問題、ひとりで悩まないで──ジェ…
  • 10
    世界の若者を苦しめる「完璧主義後遺症」...オードリ…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 5
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 6
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 7
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 8
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫フ…
  • 9
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 10
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 7
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 8
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中