ECB、債券購入をより慎重に活用すべき=シュナーベル専務理事
欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は11月14日、金利調整はECBの主要な政策手段であり続けるべきで、債券購入とフォワードガイダンス(政策指針)は慎重に活用されるべきだとの考えを示した。2019年11月、フランクフルトで撮影(2024年 ロイター/Ralph Orlowski)
[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は14日、金利調整はECBの主要な政策手段であり続けるべきで、債券購入とフォワードガイダンス(政策指針)は慎重に活用されるべきだとの考えを示した。
ECBは過去10年間で数兆ユーロ相当の債券を購入した。バランスシート上にはまだ4兆ユーロ以上の債券が残っており、刺激策の必要性がなくなった数年後も市場価格に影響を与えている。シュナーベル氏は、ECBが債券購入の手法を変える必要があるのはこうした市場の歪みが理由だと述べた。
「このような環境下でインフレを効果的に管理するためには、中央銀行は機敏さと柔軟性を優先する必要がある」とし、「したがって、ほとんどの状況で短期金利が依然として最適な手段である」と語った。
一方、債券購入はECBを何年も制約する可能性がある。「債券保有は徐々にしか解消されないため、資産価格は長い間ゆがんだままとなる」とし、「これは、量的緩和(QE)開始のハードルをこれまでよりも高くする必要があることを意味する」と述べた。
フォワードガイダンスも銀行に制約を与え、21年後半から22年初めのインフレ高騰への初期対応が遅くなる一因となったため問題があると主張。「今日の不安定な環境において、フォワードガイダンスは中央銀行にとって限られた有用性しかない」と述べた。