MUFG、通期純利益予想を1.75兆円に上方修正 追加自己株取得も
11月14日、みずほフィナンシャルグループは、2025年3月期の連結純利益見通しを前年比20.7%増の8200億円に上方修正した。写真はみずほフィナンシャルグループのロゴ。2018年8月に都内で撮影(2024年 ロイター/Toru Hanai)
Miho Uranaka
[東京 14日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループは14日、2025年3月期の連結純利益見通しを17.4%増の1兆7500億円に上方修正した。従来予想は1兆5000億円だった。顧客部門を中心に業績が好調で、政策保有株の売却も利益を押し上げる。年間配当予想を60円に引き上げ、3000億円を上限とする追加の自己株取得も決議した。
IBESがまとめたアナリスト14人のコンセンサス予想では、25年3月期通期の連結純利益の平均値は1兆6620億円だった。
記者会見した亀澤宏規社長は、金利高と円安の追い風はあったがもののベースとしての稼ぐ力が増しているとして、「相応の数字が出せた」と総括した。
今四半期にトヨタ自動車やホンダなどの政策保有株を売却。9月末の未売却の売却合意残高は4360億円となっているという。24─26年度の中期経営期間中に3500億円分を削減する計画だったが、売却目標金額を倍増して7000億円とし、今中計期間中に保有残高の半減を目指す方針を新たに示した。
日銀による7月の政策金利の引き上げで、年間700億円のプラスの影響もあった。亀澤社長は、今後日銀が25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施した場合、年間約1000億円程度の上乗せが期待できるとして、「金利のある世界では口座の数や預金の額が生きる世界になるので、しっかり対応していく」と述べた。
中期経営計画の最終年度目標については、初年度での達成を目指して通期業績を上方修正、今後、中期経営計画の見直しも検討するという。
<みずほFGも通期上方修正、16年ぶり自己株取得も>
みずほフィナンシャルグループも同日、25年3月期の連結純利益見通しを前年比20.7%増の8200億円に上方修正した。好調な上期決算と日銀による金利引き上げの影響を織り込んだ。従来予想は同10.4%増の7500億円だった。
IBESがまとめたアナリスト10人の予想平均値7933億円を上回った。
同時に08年以来16年ぶりの自己株取得を公表、1000億円を上限に取得する。年間配当も130円に増額した。木原正裕社長は、成長投資と株主還元を強化する新しいステージに入ったと指摘した。
みずほFGは長く資本の充実を図ってきたが、コスト構造を変革するなどし、資本水準が改善。24年9月末のCET1比率(普通株式等Tier1比率、完全実施ベース)は11.2%となっている。今後も機動的に自己株取得を検討する。
みずほFGは13日、楽天グループ傘下の楽天カードの普通株式14.99%を1649億円で取得し、資本業務提携すると公表している。12月からみずほ楽天カードの発行を始める。木原社長は、口座数を増やして預金の粘着性を高めると狙いを説明した。
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