午後3時のドルは一時155円乗せ、米金利高止まりで買い継続
11月13日 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(154.60/64円)から小幅高の154円後半で取引されていたが、午後3時過ぎに一時155.13円付近と7月30日以来3カ月半ぶりの高値を付けた。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2024年 ロイター/Murad Sezer)
(文中の余分な文字を削除しました)
Mariko Sakaguchi
[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(154.60/64円)から小幅高の154円後半で取引されていたが、午後3時過ぎに一時155.13円付近と7月30日以来3カ月半ぶりの高値を付けた。米金利の高止まりを背景にドルは堅調に推移している。
米議会選挙で共和党が下院も多数を確保する見通しになったとの報道を受けて、トリプルレッドが実現する可能性から米長期金利が一時4.44%付近まで上昇。それに伴いドル買い/円売りが強まった海外市場の流れを引き継いで始まった。
仲値公示に向けて、国内輸入企業による買いが入ったとみられ、ドルはじりじりと上昇した。様子見をしている実需筋も一定数いるとされ、ドルが下落する局面では買いが入りやすく「(ドルは)下がりにくい」(国内銀の為替セールス担当)という。
ドルは154円後半まで上昇した後は、日経平均株価の大幅安を眺めて、上げ幅を縮小した。午後に入り、再びドル買いが強まる場面もあったものの、ドルは154円後半を中心とした推移にとどまった。午後3時すぎに、時間外取引の米長期金利の小幅な上昇を背景に、ドルは3カ月半ぶりに155円台に上昇した。
「いったん落ち着いたと思っていたトランプ・トレードが再燃している」と、SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は指摘。
上田氏は「ドルの強さが目立つだけで、日銀による利上げの方向性には変わりはないとの見方から、円が弱いわけではない」とし、ドルが155円を超えた後は、時間をかけて157円を目指すとの見方を示した。
今晩の米消費者物価指数(CPI)のほか、多数の米連邦準備理事会(FRB)高官による発言に市場の関心が集まる。
オーストラリア・ニュージーランド銀行の外国為替・コモディティ営業部ディレクター、町田広之氏は、米大統領選挙でのトランプ氏の勝利と米経済の底堅さが続く中、「FRB高官による発言がタカ派的になる可能性やインフレの粘着性が意識されれば、米金利に上昇圧力がかかりやすい」と指摘。また、ユーロや人民元の軟調地合いが続く中、ドル指数のレンジが一段と切り上がりやすく、「ドルの一人勝ちとなりやすい」(町田氏)とみる。
ただ、町田氏は155円を超えれば、政府・日銀による為替介入への警戒感に加えて、円安進行で日銀の追加利上げも意識されやすくなり「ドルは上方向に変わりないものの、上昇スピードは緩やかになるのではないか」との見方を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 154.91/154.92 1.0613/1.0614 164.40/164.42
午前9時現在 154.66/154.67 1.0616/1.0617 164.19/164.20
NY午後5時 154.60/154.64 1.0623/1.0624 164.23/165.28