セブン&アイ、創業家の買収提案を特別委で検討 加社に対抗
セブン&アイ・ホールディングスは13日、副社長の伊藤順朗氏と同氏が関係する伊藤興業から買収提案を受けていると発表した。写真は東京で8月に撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Ritsuko Shimizu Nobuhiro Kubo
[東京 13日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスは13日、副社長の伊藤順朗氏と同氏が関係する伊藤興業から買収提案を受けていると発表した。法的拘束力のない提案だとし、独立社外取締役で構成する特別委員会が慎重に検討中としている。同社にはカナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタール(ACT)が買収を提案をしており、これに対抗する動きとなる。
伊藤副社長はセブン&アイの創業家出身。伊藤興業は8月31日時点でセブン&アイ株8.16%を保有している。セブン&アイによると、伊藤興業は創業家の資産管理会社で、順朗氏は株主だという。
セブン&アイは「現時点で取引を進めることについて何ら決定されておらず、最終合意や取引実行が保証されるものではない」としている。
特別委委員長のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏は、同提案のほか、ACTの提案、実行可能な同社の施策を含め、「潜在的な株主価値の実現のための全ての選択肢を客観的に検討している」とコメントした。
同買収提案を巡っては、ブルームバーグが13日、同社の創業家や伊藤忠商事などが3兆円程度を出資、主力取引行の三井住友フィナンシャルグループなどメガバンク3行が6兆円規模を融資し、9兆円規模で全株式を買い取ると伝えている。
9兆円規模となれば、クシュタールによる7兆円規模の買収提案を上回ることになる。